佐々陽太朗の日記

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『ぐるぐる問答 【森見登美彦氏対談集】』(森見登美彦・著/小学館文庫)

『ぐるぐる問答 【森見登美彦氏対談集】』(森見登美彦・著/小学館文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

森見登美彦氏初の対談集、完全版!森見登美彦氏初の対談集、完全版!
ただ正直に、出たとこ勝負で喋るだけである。だから私はたいていの対談でぐるぐるしてしまう――(「はじめに」より)。そんな森見登美彦氏が、ぐるぐるしながらも臨んだデビュー直後の人生初対談から、憧れの人との緊張のご対面、15周年を迎えての振り返りまで。現在では入手困難な対談を網羅した、ファン必読の一冊です。対談相手は、劇団ひとり氏、万城目学氏、瀧波ユカリ氏、柴崎友香氏、うすた京介氏、綾辻行人氏、神山健治氏、上田誠氏、羽海野チカ氏、大江麻理子氏、萩尾望都氏、飴村行氏、本上まなみ氏、綿矢りさ氏という各界トップランナーの多彩かつ豪華な顔ぶれ。単行本収録の全16記事+“対談風小説”「今昔対談」を完全再録するほか、新たに伊坂幸太郎氏、辻村深月氏との対談を追加収録しました。本書だけで読める、書き下ろしコメントも満載です。装画は『こぐまのケーキ屋さん』著者、カメントツ氏による描き下ろし。さらに、登美彦氏の仕事場突撃インタビュー漫画も特別収録!


【編集担当からのおすすめ情報】気心の知れた相手との丁々発止、憧れの人との超緊張のご対面……登美彦氏のさまざまな表情が覗きます。デビュー以来の15年間の軌跡が詰まっているので、その時に刊行された作品との読み比べもオススメ。登美彦氏の書き下ろし注釈も多数!

 

 

 

 

 単行本は昨年のうちに既に読んだ。小学館のI氏、O氏にいただいたものだ。文庫本も同じく『夜行』と共にいただいた。私が登美彦氏の大ファンだとご存じなので贈ってくださったのだろう。ありがたいことです。

http://jhon-wells.hatenablog.com/entry/2018/06/26/000000

 

 手に取ってわかるのは装画の違い。単行本は坂崎千春氏、文庫本はカメントツ氏である。さらに番外編としてカメントツ氏による登美彦氏インタビューが「カメントツの漫画ならず道」として漫画になっている。これによると登美彦氏が腐れ大学生を続け切らなかった理由は、登美彦氏がそれを続ければ「死んでしまう」と考えたからだという。それは「逃げ」ではないかというカメントツ氏のスルドイ指摘に対し、登美彦氏は曰う。「死にたくない。幸せになりたい。読者が不幸になっても幸せになりたい・・・」と。本音を言えば私も腐れ大学生ものを書いて欲しかった。登美彦氏には死ぬ気で書いて欲しかった。

 文庫本にはさらに伊坂幸太郎氏、辻村深月氏との対談も加わっている。豪華なおまけである。おまけに免じて登美彦氏には「死んでも腐れ大学生ものを書け!」とはいわずにおこう。(笑)