佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

二宮「長野屋」でカレーそばを食す

 今日は午前11時から神戸で某政党の新年祝賀会に出席。会場内に寿司、天ぷら、蕎麦などが用意してあったが、私は並んで食べものを配給してもらうスタイルが嫌いである。礼を失することのないよう、要人にひととおり挨拶をして、酒とビールだけ適当にいただいて早々に会場を辞去した。

 気分的に麺が食べたかったので「丸高中華そば二宮店」を目指した。しかし丁度昼時だったので待ち客があふれていた。私は並ぶのが嫌いなのだ。仕方なく三ノ宮駅がある南方向に歩いた。路地に入ると二宮商店街の手前に「長野屋」という蕎麦屋があった。「神戸発祥 元祖 カレーそばの店」とある。店の入り口には「カレーそば」の写真も置いてある。「カツのせもあるのか。よし、それに決めた!」と心の中でつぶやき暖簾をくぐる。席は7割方埋まっていた。皆、常連さん風なのが良い。SNSなどを見て、ばえ~~などと騒いで行列しているような輩がいれば興ざめである。

 ご注文はと訊かれ、「カレーそばをカツのせで」と注文すると「すみません。カツが出てしまっちゃったんですよ」と申し訳なさそうに言う。なにかまいません。食べもので文句を言うのは紳士のすることではない。「ではきざみアゲでお願いします」と注文を変えた。無いとなると余計にカツに焦がれてくる。そんな気持ちを頭から締め出すべく本を読む。『活版印刷日月堂』(ほしおさなえ)である。心温まる物語だ。

 しばし本に集中していると、出て来ました。ほう、渦巻き状のソースがなかなかおもしろい。これもSNSばえか。

 蕎麦はカレーの中で見えなかったが、箸で手繰ってみると更科蕎麦らしく白い。相当熱そうなので、念入りにふぅふぅしてすする。うまい。ソースの風味も丁度良い塩梅である。きざみアゲもうまい。正解であった。

 食べ終えて茶をすすりながら、スマホで「食べログ」を検索してみる。投稿してある写真は圧倒的に「カツのせ」画像である。見るからにうまそうだ。近いうちにもう一度来ることにする。今度はカツが切れていないよう12時には入店すべしと肝に銘じる。

 ちなみに「長野屋」は阪急三宮駅近くにもあるようだ。そこもカレーそばが有名だそうであるが、この店との関係は定かではない。訊いてみたい気もしたが、余計なお世話かと遠慮した。