『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(新井見枝香・著/秀和システム)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
某有名書店の”型破り”書店員による初エッセイ。
「書店員が書いた心温まる本屋の話」ではなく、37歳、独身、彼氏なし、そんな女のおかしくてちょっぴり痛いお話です。「会社員に向いてない」「結婚に向いてない」日常のエピソードが満載。コラムニストのジェーン・スーさんからは「同業者の端くれとして、背筋の凍る文章力。誰にでもあるどうってことない日常を、こんなにおもしろく仕上げるなんてズルい!」と絶賛推薦コメントも。
【著者について】 東京都出身、1980年生まれ。アルバイトで書店に入社し、契約社員数年を経て、現在は正社員として営業本部に勤める成り上がり書店員。文芸書担当が長く、作家を招いて自らが聞き手を務める「新井ナイト」など、開催したイベントは300回を超える。独自に設立した文学賞「新井賞」は、同時に発表される芥川賞・直木賞より売れることもある。出版業界の専門紙「新文化」にコラム連載を持ち、文庫解説や帯コメントなどの依頼も多い。テレビやラジオの出演も多数。
著者は書店勤めでいらっしゃる。それも★★堂書店(著者のtwitterによると別の書店に移られたようですが)。書痴を自認する私には憧れの職業である。おまけに自分が主催する文学賞「新井賞」まであるとは、もう尊敬の言葉しかありません。そんな方の書かれたエッセイが話題になっていると聞けば読まない手はない。予想に反して書店業界がらみの話ばかりではない。むしろ働く女性の日常オモシロエッセイ、それもかなり内面をさらけ出した内容である。そう、このエッセイは化粧を落とした素っぴんであり、女性としてはきわどい内容だ。ちなみに執筆中のスタイルは素っぽんぽん、つまり全裸であったらしい。どうでも良い情報でした。スミマセン。
頁をめくる手が止まらなかった。「週刊文春にネタを売るような女ではない」というところが特に気に入った。
『この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ』(秀和システム)、『本屋の新井』(講談社)も購入済みで手元にある。とりあえず本棚に収納し、しかるべき時期に読もう。継続して読むには少々毒が効いていますからね。