佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『活版印刷三日月堂 海からの手紙』(ほしおさなえ・著/ポプラ文庫)

活版印刷日月堂 海からの手紙』(ほしおさなえ・著/ポプラ文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。物静かな店主・弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い……。

 活字と言葉の温かみに、優しい涙が流れる感動作。

静岡書店大賞を受賞・ブクログ1位・読書メーター1位など、話題沸騰の人気シリーズ、待望の第二弾! 

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  • あわゆきのあと
  • 海からの手紙
  • 我らの西部劇

 

活版印刷三日月堂 海からの手紙: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

活版印刷三日月堂 海からの手紙: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

 

 

 活版印刷。印刷所にある活字、それは印刷所の壁一面を覆い尽くしている。言葉で世界を表そうとしたら、それだけの量の文字が要るのだ。もちろん、ここに書かれた物語はフィクションだ。しかし、物語の奥底にある、人の真心、人を思いやる気持ち、何かを成し遂げたいという熱い思い、生きていくうえで少しずつ心にたまっていく哀しみ、そうしたものは確かにある。
 小説は素晴らしい。そして小説を紡ぐ活字もまた素晴らしい。印刷物は言葉を残し、複製し、多くの人に届ける。言葉は印刷されることによって翼を持つことができる。表現の翼を。