佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『活版印刷三日月堂 庭のアルバム』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)

活版印刷日月堂 庭のアルバム』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い。しかし三日月堂を続けていく中で、弓子自身も考えるところがあり…。転機を迎える、大好評シリーズ第三弾!ブクログ1位、読書メーター1位、第5回静岡書店大賞、第9回天竜文学賞、4冠!

 

 

  久しぶりにほしおさんの世界に帰ってきました。

 今年の年明けに第一巻『星たちの栞』と第二巻『海からの手紙』を読んだ。そのまま続きを読みたくも思ったが、最近話題の「葉村晶シリーズ」や海外物などの世界をさまよってしまい、あっという間に二ヶ月が経ってしまったのである。既に季節は春。活版印刷日月堂は再び私を春のように温かく迎え入れてくれた。三日月堂と弓子さんを巡って縁がつながり新しい物語が紡がれる。それは古い印刷所で起こる日常的な物語で、決して劇的なものではない。しかしそこにささやかではあるけれど奇蹟がある。真心が起こす小さな奇蹟が確かにそこにある。人と人が真心の信頼でつながっていく。三日月堂の物語はさらに続いていく。