佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『活版印刷三日月堂_空色の冊子』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)

活版印刷日月堂_空色の冊子』(ほしおさなえ:著/ポプラ文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

小さな活版印刷所「三日月堂」。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉―。弓子が幼いころ、初めて活版印刷に触れた思い出。祖父が三日月堂を閉めるときの話…。本編で描かれなかった、三日月堂の「過去」が詰まった番外編。

シリーズ累計20万部突破!三日月堂の知られざる「過去」を描いたスピンオフ短編集。

 

 

 

 

  まず表紙を捲って扉ページに綺麗な文字(下の写真)がある。活字を組んで印刷されたものである。印刷された文字はすべて綺麗なのだが、活版印刷には写植やDTPとはちがう独特の美しさがあるあるのだ。初版限定でこのページがついているようだ。ありがたや。

 本編は前巻(4巻)でいったん完結しており、本巻は番外編。本編が始まる以前のエピソードが収められている。どれも心温まる。手にしたと思った幸せは気をつけて大切に大切にしていないと、いつの間にか手から滑り落ちてしまう。幸せは追いかけたり奪い取ったりして手に入るものではない。それでも周りを思いやり真っ当に生きていればいつしか向こうからやって来て寄り添ってくれる。幸せとは心のあり方。そうしたものだ。このシリーズを読んでつらつら思う。

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本書の扉ページ