2020/05/05
朝餉にへしこ、ほかに自家製で作りおいた島らっきょうの塩漬けと大根葉の浅漬けを用意した。塩辛いものばかりだがなにかまうものか。このところ血圧は正常値を示している。
へしこに島らっきょうの塩漬けとくれば酒をやりたいところ。世はステイホーム週間まっただ中である。今日も巣ごもりするので当然車も運転しない。吞んで悪いはずはない。しかしここは我慢だ。ステイホームに恭順の意を表する模範的な日本国民を思いうかべたとき、朝から酒をやるなどという自堕落な生活をして良いはずはないではないか。国民全体が一丸となり禍々しい新型コロナウイルスに打ち勝たんと力を合わせているときに、たとえ人目に触れずともそのような所業に及ぶことなど非国民のそしりを免れぬわ。
しかしここでわが心に棲息する悪魔が「誰にもわからないよ」とそっとささやく。つれ合いもまだ寝ているではないか。思わず冷蔵庫の扉を開けて一升瓶のクビに手をかけた。いや待て。天知る地知るお味噌汁、もとい、天知る地知る俺が知る。己の胸に手を当ててよく考えるのだ。そのようなことをして天に恥ずべき事なしと胸を張れるのか。貴様の矜持はどこへ行ったのだと踏みとどまった。酒は吞んだつもりになって〆茶漬だけにしよう。
よろしい。これでステイホーム週間明けに胸を張って外に出ることができる。めでたしめでたし。