佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2020年5月の読書メーター

5月の読書メーター

5月はいつもの月の半分ぐらいしか読めなかった。理由は簡単。コロナ禍の影響でバス、電車に乗ることがほとんど無かったからである。こうしてみると、公共交通機関で移動している時間が私の読書タイムの殆どを占めていることがはっきりと分かる。

今後応援したい新人作家(馳月基矢さん)に出会い、ほしおさなえさんの活版印刷シリーズを読み切り、私の好物、シーナさんのエッセイ、髙山さんの時事評論を読むなど、個人的には満足している。


読んだ本の数:5
読んだページ数:1437
ナイス数:1041

変見自在 朝日は今日も腹黒い変見自在 朝日は今日も腹黒い感想
世の中には新聞を特にA新聞を信奉している人が未だに数多くいる。従軍慰安婦捏造報道や沖縄珊瑚礁KY落書き捏造報道、さらに遡って数々の不適切な報道があったことが明るみにでてなおである。何を信じるかは個人の勝手である。人の世の真実は必ずしもひとつではない。真実はそれを語る者の都合によって180°見え方が変わるものである。従って各章、各節に書かれたことの真偽をひとつひとつ検証し裏を取るべきだろう。しかし、これほど多くの事例を実名で示されてはいかにもA新聞は分が悪い。というより勝負あった、と私は思う。
読了日:05月17日 著者:髙山 正之


南国かつおまぐろ旅 (文春文庫)南国かつおまぐろ旅 (文春文庫)感想
海苔とかつおぶしを偏愛し、食う寝る吞む出す特に糞便の話を書き殴り、バカップルに、はたまたオバサングループに、そしてさらには大量連続的幼児声娘連中にバカヤロメ!ケッ!光線を浴びせ、休みの度に車をピカピカに磨き上げる貧乏くさいヤツに「車より心を磨きなさい!」と心の中で説教を垂れ、テントも張れず、料理もバーベキューしかできないくせにグッズだけは大層にそろえているにわかアウトドアバカに「死ね!」と引導を渡し、原稿〆切恐怖におびえる日々を綴る。いつものシーナさんである。
読了日:05月12日 著者:椎名 誠


([ほ]4-6)活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫)([ほ]4-6)活版印刷三日月堂 小さな折り紙 (ポプラ文庫)感想
読み始めたら頁を捲る手が止まらなかった。そして涙も。「生きているものはみなあとを残す。印刷はあとを残す行為」 そのとおりだと思います。そして印刷によってあとが残された「言葉」、その言葉は植物の種のように人の心に落ちて芽を出す。いつしかその言葉はその人の心の空で光り出す。それはその言葉を紡いだ人があとの人に残した大切な道しるべとなる。言葉を残すことの素晴らしさ、活字の持つ力に想いをいたしながらそっと頁を閉じた。
読了日:05月05日 著者:ほしお さなえ


([ほ]4-5)活版印刷三日月堂 空色の冊子 (ポプラ文庫)([ほ]4-5)活版印刷三日月堂 空色の冊子 (ポプラ文庫)感想
表紙を捲って扉ページに綺麗な文字がある。活字を組んで印刷されたものである。初版限定でこのページがついているようだ。ありがたや。本編は前巻でいったん完結しており、本巻は番外編。どれも心温まる。手にしたと思った幸せは気をつけて大切に大切にしていないと、いつの間にか手から滑り落ちてしまう。幸せは追いかけたり奪い取ったりして手に入るものではない。それでも周りを思いやり真っ当に生きていればいつしか向こうからやって来て寄り添ってくれる。幸せとは心のあり方。そうしたものだ。このシリーズを読んでつらつら思う。  
読了日:05月04日 著者:ほしお さなえ


姉上は麗しの名医 (小学館時代小説文庫)姉上は麗しの名医 (小学館時代小説文庫)感想
本書の発刊は2020年4月12日。しかし馳月さんはTwitterで4月7日デビューと仰っています。そうです、奇しくも4月7日は緊急事態宣言が発令された日。多くの書店が店を閉めています。しかし、ステイホーム要請で本を読む時間はたっぷりある。これは幸運なのか不運なのか。やはり書店に並ぶ機会を失したという点で新人には不利でしょう。されば応援しようではないか。読みやすい文体、魅力的なキャラクター、女性の筆ながら緊迫感のある剣戟、続編が書かれるにつれ尻上がりにおもしろみが増していく予感がします。続編を心待ちにする。
読了日:05月02日 著者:馳月 基矢

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