1月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2622
ナイス数:1099
アメリカ大統領交代の時期ということもあり、年明けは政治色のあるものを読んだ。そのうちバイデン民主党政権の化けの皮が剥がれるだろうと予測するが、できればその予測は外れて欲しいものだ。翻って日本はというと、マスメディアの論調に引きずられ現政権の批判ばかり。民主党も現政権のやることにケチをつけるばかりの無能ぶりは相変わらずだ。鬱々たる気分になる。髙山正之氏の辛口コラムで憂さを晴らすしかない。
素晴らしいSF小説に出会った。オースン・スコット・カードの「エンダー・シリーズ」は続編も追いかけたい。
日本人よ強かになれ 世界は邪悪な連中や国ばかりの感想
2020年はコロナ禍に始まりコロナ渦中に暮れた。2021年の読書は中国と朝日に対する怒りで始まった。当然だろう。中国は東シナ海でも、香港でも、チベットでも、ウィグルでもやりたい放題だ。新型コロナの発生源も中国。そんな中国に対して日本のジャーナリズムは殆ど知らん顔だ。相も変わらずモリカケ、桜と騒いでいる。情けない。本書が書かれたのは2020年の初夏。その後、アメリカ大統領選挙でトランプが敗れバイデンが次期大統領に選ばれた。アメリカはオバマ政権時の悪夢をもう一度見たいのだろうか。心配な一年が始まった。
読了日:01月02日 著者:高山 正之
変見自在 トランプ、ウソつかないの感想
世の中は不都合な真実に溢れている。不都合な真実はウソで塗り固められ隠蔽される。髙山氏はそんな不都合な真実を伝えてくれる。本書に田中角栄がアメリカによって潰された舞台裏が書かれている。何を信じるかは個人の勝手だが、朝日が書くことを何の疑いも持たず読んできた人は本書や石原慎太郎の『天才』(幻冬舎)を読んでみてはいかがか。
読了日:01月03日 著者:髙山 正之
人生で大切なことは泥酔に学んだの感想
本書で多くの有名人がけっこう酒で失敗していたことを知った。それを読んで、その人物を軽蔑したかといえば、否である。かえって親しみを覚えた。己の酒に対するだらしなさが少しは救われた気がする。もちろん酒癖の悪さはけっして褒められたことではない。しかし、誰か落語家が言っていた。「キチンとした人間は面白くない。欠点やスキのある人間の方が人に好かれるもんですな」と。ちと、言い訳がましいか。
読了日:01月08日 著者:栗下直也
石平の眼 日本の風景と美の感想
いやはや、日本に帰化なさったとはいえ元中国人でいらっしゃる石平氏から本居宣長の「大和心」という言葉が出ようとは。中国人であった石平氏からすれば、中国文化をルーツとして日本文化があるとして、中国文化を賛美したいとするのが普通であろう。しかし「儒教の教えを自然に背く考えである」とした本居宣長に近いところまで考えいたるとは驚いた。それだけ日本と日本人を深く理解していらっしゃるということだろう。石平氏曰く「中国大陸に深入りしてはならない」「平和は戦争への備えによって守られている」 蓋し慧眼。
読了日:01月13日 著者:石平
京都スタアホテル (小学館文庫)の感想
食をテーマにした小説の手練れ、柏井壽氏の新しいシリーズ。舞台はやはり京都。それも明治時代から続く老舗ホテル。それも館内に和洋中各種12カ所の食事処を取りそろえているとなると、全国の宿を泊まり歩いていらっしゃる柏井氏にとって小説の題材は数多。抽斗はいくらでも持っていらっしゃることだろう。全般を通じて感じたこと。それは「料理も仕事も人生も、大切なことはただひとつ。相手を思いやる心。それにつきる」ということ。続編を楽しみに待つ。
読了日:01月14日 著者:柏井 壽
アメリカ民主党の崩壊2001-2020の感想
トランプ勝利を予言した本書を今読むことに意味はあるのだろうか。そうした疑問は当然にある。しかし民主党が政権を握った今だからこそ、その正体を知っておく必要があるだろう。そしてその方法はアメリカのメディア、日本のメディアの報道では殆ど知らされることがない事実を確認していくことでなければならない。なぜならばアメリカにおいてもメディア報道にはバイアスがかかっているうえ、それを日本で伝えるメディアはさらにバイアスをかけて報道するからだ。
読了日:01月17日 著者:渡辺 惣樹
エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))の感想
本作の原型となった短編は1977年に発表された。それが長編化されて本作が出版されたのが1985年のこと。1985年といえば、WindowsのVer.1.01が発表されたばかり。その時点で来るべきネット社会、コンピュータ・シミュレーター・ゲームの世界を描いたのは見事。かなり正確な予見だ。すばらしいSF作品としてお薦めしたいが、訳が酷い。訳者:野口幸夫氏は意図的に直訳にこだわったようだが、これが読みにくいことこの上ない。新訳が出ているそうなので、そちらをお薦めする。新訳版を読んだわけではないので、知らんけど。
読了日:01月21日 著者:オースン・スコット・カード
死者の代弁者〈上〉の感想
『エンダーのゲーム』を読んですぐ本書を読み始めて正解だった。なぜエンダーが「死者の代弁者」たるのか。なぜ敵対ではなく共存なのか。そうしたことが分からなかったに違いない。物語の背景が分からず、独特の言葉にも悩まされ上巻を読み切ることすら難しかっただろう。何とか上巻を伏線を理解しながら読み終えたあたりからぐんぐん面白さを増してきた。 https://jhon-wells.hatenablog.com/entry/2021/01/27/000000
読了日:01月23日 著者:オースン・スコット・カード
死者の代弁者〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)の感想
価値観や行動原理が全く違う異星知性体との関係で自らの存続が危ぶまれる想定で如何なる手段を執るべきか。あくまで対話と説得に努めるのか、あるいは相手を殲滅すべく動くのか。現状世界で例えばアメリカと中国、あるいは日本と北朝鮮というモデルで考えてみると興味深い。おそらく議論百出、相反する意見の溝は埋まらず、皆が納得する結論には至らないだろう。選んだ結果は不可逆である。それだけにこの決断は空恐ろしい。https://jhon-wells.hatenablog.com/entry/2021/01/27/000000
読了日:01月27日 著者:オースン・スコット カード
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