2021/03/23
『文脈力こそが知性である』(齋藤孝:著/角川新書)を読みました。読書会仲間に薦めていただいた本です。
まずは出版社の紹介文を引きます。
頭がいいとは、前後の文脈、横のつながりで物事を理解し、考え、話ができることである。偉人から芸人まであらゆる知的な人を参照し、知性が滲む話術と文脈力の鍛え方を伝授する。『語彙力こそが教養である』姉妹編。
(目次)第1章 知的であるとは何か
第2章 その一言に知性は滲み出る
第3章 場の文脈、人の文脈、時代の文脈
第4章 文脈力で会話は変わる
第5章 知性を磨く日々の習慣
第6章 古典をいまの文脈に活かす
第7章 自分の文脈をもって生きる
語彙力こそが教養である。しかしその語彙力も文脈のあるアウトプットに活かされてこそ知性として表出される。つまり文脈力こそが知性である。ということは「頭がいい」とは文脈力である。人生をより豊かに味わい深いものにし、幸せに生きるためにいかに文脈力に磨きをかけるか。それを指南してくれる本です。
心に留めておきたい言葉を下に記す。
- つながっていないものをどうつなげて考えることができるか。――それを探求することこそが、知性の根源的なあり方だと思います。
- 一つの主義に拘泥するなかれ。
- 落語やお笑いの面白いフレーズを完コピする。
- 脳は「入ってきた情報を記憶すべきかどうか」を出力の頻度で判断する。
- 「ぶっちゃけ」と言うのが口グセだけど、じつは何もぶっちゃけていない人もいます。
- 速く読む練習をするには、時間制限を設けることが効果的。
- 読んだら読みっぱなしにするのではなく、必ずアウトプットする。人に話す、あるいはブログに書くなどする。
- 難読ものには専門家による解説本を活用しましょう。
- (英語の本を読む方法)映画――原書――翻訳書という三角形を活用。(補助輪付きで自転車に乗るように)
語彙をどのようにしてその場にあった文脈にするか。それが出来るようになるためにどのように準備すべきか。どうしたらその力がつくか。齋藤氏が経験と考察から得たノウハウを余すところなく教示していただいた。いい勉強になりました。