2021/05/18
ステイホームで映画鑑賞。前から気になっていた作品『茄子 アンダルシアの夏』とその続編『茄子 スーツケースの渡り鳥』を観た。
『茄子 アンダルシアの夏』は黒田硫黄の短編漫画集『茄子』に収録された『アンダルシアの夏』を原作とする、自転車のロードレースを題材にした作品。
舞台となるレースはスペインのブエルタ・ア・エスパーニャだ。主人公ぺぺはレースに出場しているチームのアシスト選手でアンダルシア出身。そのぺぺが故郷アンダルシアを走るステージ当日、折しもぺぺの兄・アンヘルとかつてのぺぺの恋人・カルメンの結婚式が行われていたという設定。アシスト選手として解雇されるかもしれない危機と、かつての恋人と兄の結婚式の当日という複雑な思いを抱きながらも、プロロードレーサーとしてチームのオーダーに従って仕事をしている。しかしチームのエースにアクシデントがあったことで、アシストの役割が解け優勝を目指して勝負に出るというあらすじ。
監督の高坂希太郎が日本アニメ界有数のサイクリストとして知られる人らしく、レースの描写にリアリティがありすばらしい。夏のアンダルシア地方をレース集団が走り抜けていく景色は限りなく美しい。そしてなによりも兄とかつての恋人・カルメンの結婚に対する想い、兄弟のお互いを思う心が切なくも美しい。
エンドクレジットを見て分かったのだが、主人公ぺぺの声優は大泉洋。主題歌「自転車ショー歌」は小林旭の「自動車ショー歌」の替え歌だが、忌野清志郎が歌っている。なかなか豪華なスタッフではないか。
歌詞の最初と最後の一節を引いておく。ちなみに私の愛車もビアンキである。
子猫がミヤったコルナーゴ
ぼくの彼女はビアンキで
プジョーが読めなくコメンサルう
ルックは良いのにクラインで
ちょっトマズィーニこまったら
モールトン飲ませりゃバッタリーン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
あの娘はやっぱりスペシャライズド
トレックいっぱいアンカーを
積み込みデローザジタンけど
ピナレロれつがソニックで
ほっぺをチネリれコッピどく
ボッテキアがれとオルベアた
『茄子 スーツケースの渡り鳥』は続編でその舞台は日本、栃木県宇都宮市で開催されるジャパンカップサイクルロードレースだ。日本の美しい風景の中のレースもいいが、いかんせんこのレースは周回コース。いつの日か日本でもヨーロッパのようなレースが開催されることを願う。