佐々陽太朗の日記

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『バカの国』(百田尚樹:著/新潮新書)

2021/07/04

『バカの国』(百田尚樹:著/新潮新書)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

バカが溢れている。

何でもいちゃもんをつけて炎上させるクレーマー・バカ、SNSで自らの愚かさを世に知らしめる新手のバカ、常人には理解不能な真正のバカ。だが、笑ってばかりもいられない。血税を食い潰す役人、保身しか頭にない政治家、危機管理能力のない政府…バカは、いまやこの国の中枢まで侵食しつつあるのだ。ベストセラー作家がツッコミながらも警鐘を鳴らす、笑いと怒りの123篇!
目次

第1章 クレーマー・バカ(何でもかんでもクレーム「弱者のため」を装うクレーマーそのクレームは誰のため?)

第2章 やっぱりSNSはバカ発見器(自己顕示欲の化け物暴走するスマホ

第3章 世にバカの種は尽きまじ(ただひたすら迷惑なバカプロ意識のないバカたち理解不能なバカ)

第4章 血税を食べるバカ(生活保護を悪用する人たち税金を狙う人たち)

第5章 公務員の楽園(役人と書いてバカと読むモラルのないバカ地方議員のバカ) 

 

 

 本書は有料個人サイト「百田尚樹チャンネル」の会員向けメルマガをベースにまとめられたものらしい。

 関西人の百田氏が「アホ」ではなく「バカ」という言葉を使っているところに、本書に登場する馬鹿者どもに対する蔑みが感じられる。「しゃあないヤツやなぁ。アホか」といった親しみや愛情は一切感じられず、まさに世に蔓延る馬鹿者どもを容赦なく切って捨てている。

 最近あった不祥事のおさらいが出来たが、人間が如何に強欲で、狡く、破廉恥で、浅ましい存在であるかと辟易しながら読んだ。ここしばらく誇り高く、飼い主に全幅の信頼と愛情を示す犬を主人公とした小説を数冊読んできたこともあって、人間のダメぶりに唖然とする。読んでいくうち、怒りを通り越して体も心もへなへなとへたってしまった。

 それにしてもよくもまあこれだけ「バカ」が溢れているものだと思う。しかしよく子供に諭す「バカという人がバカなんだよ」という言葉を思い出して自省せねばなるまい。それでもこれだけは言っておきたい。本篇に記された123のバカもバカだが、私が思う一番のバカは「怒りの長い長いまえがき」に記された、政府と与党を印象操作で貶めることしか頭にない立憲民主ほかの野党とその肩を持つマスゴミだ。