『世界の美しい窓』(五十嵐太郎:著/エクスナレッジ)を読んだ。
まずは出版社の紹介文を引く。
古い窓から新しい窓まで、世界中のさまざまな美しい窓を写真で楽しめる本です。
歴史を感じさせるクラシックな窓や
不思議な形の窓はもちろん
「これも窓! ?」と驚くような窓を多数掲載。
なぜこのような形になったのか
この窓はどのように使用されているのか
建築史的な視点から窓のデザインの秘密を読み解くことができます。
あなたの知らない窓に出会えること間違いなしです。
NHKの番組『美の壺』(File548 光と風の物語 窓)で世界中の窓を研究している建築史家として本書の著者・五十嵐太郎氏の紹介があった。五十嵐氏は日常的に生活する家の窓は通常長方形の開口部で、円形の窓は非日常的な存在として特別な意味を持つといったコメントをしていらっしゃったように記憶している。「窓の研究」というものに興味を惹かれ本書を手に取った次第。
前半は「窓を外から見る」、後半が「窓を内から見る」となっている。私は外から見る窓にあまり興味はない。内から窓を通してみる美しい景色、窓から差し込む光の美しさに心惹かれるのだ。
それでも、外から眺める奈良井宿の街並みには、その美しさに息を吞んだ。二階が突き出た出桁造りの建物が整然と並び、全体として統一感がありながらしかし一戸ごとに少しずつ違っていることによる変化にリズムを感じる。やはり中山道は良い。いずれ六十九次をロードバイクで走破してみたいものである。
中銀カプセルタワー(黒川紀章・設計)、54の窓(石井和紘・設計)、光の教会(安藤忠雄・設計)は機会を見て訪れてみたい。