佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『丹』で朝飲み、『京極スタンド』で昼飲み、『京都京セラ美術館』で「日展」を観て、夜は『瓢正』で飲む

2022/01/15

 昨夜は東山三条のホテルに宿泊。素泊まりだったので朝食を食べに散歩に出た。特にあてがあったわけではないが、散歩道として風情があって良かろうと白川あたりを歩いた。

 7時30分を過ぎたあたりだった。白川沿いの小径を歩いていると女性が店の外を掃き清めている。それこそ丁寧な仕事であった。暖簾は未だかかっていない。店の名は『丹』とあった。もうすぐ店が開くのだろうなと思いながら通り過ぎしばらく歩いたものの、どんな店なのか気になって引き返した。丁寧な仕事が気に入ったのである。店先で作業をしていらっしゃる女性に、予約はしていないが朝ごはんを食べることができるかと問うた。女性は中のスタッフに確認して店に招き入れてくれた。

 中に入ると店というよりプライベートな空間と行った風情。木をふんだんに使っており、テーブル、椅子、その他調度品もセンス良く整えられている。店員も含めて部屋の中は家庭的な空気が流れており、私を入れて三人ばかり初対面の客だったが、知人どうしで食卓を囲む雰囲気すらある。なかなかすばらしい空間だ。他のお客さんへの迷惑をはばかって店内の撮影は控えた。それこそ朝の雰囲気を壊す振る舞いだろう。店員の許可を取り、手元の料理だけ音を消したスマホで写真に収めた。

 料理は野菜中心。メニューは「丹後の蒸し野菜/へしこ焼き/特別濃厚卵/季節の和え物/自家製漬物/ご飯/お味噌汁」。漬物とへしこ焼きを見たら酒をやりたくなった。朝食にも酒のメニューが添えてあった。そらそうでしょう。こういうもので一杯やるのが贅沢というもの。「バチがあたるなぁ」といいながら「松の司」を冷やで注文した。料理は派手さはないが滋味があふれている。酒がすすんで仕方がない。「これはいよいよバチがあたるなぁ」といいながら「富翁 山廃仕込み純米」を注文。これは燗にしてもらった。酒と料理のマリアージュを楽しみ、半ば陶然となってご飯をよそってもらった。ご飯は土鍋でふっくら香しく炊いてある。一杯目は残ったおかずで、二杯目はたまごかけでいただいた。大満足。贅沢な朝であった。

 支払いに立つとレジのところに「和久傳」の名刺があった。尋ねてみると姉妹店だとか。なるほど。昨年、「和久傳の森」を訪ねたとき、レストランで食べた昼食もこんな感じであったなぁと納得。 

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 しばらく散歩を楽しみホテルに戻った。ホテルのチェックアウト期限は12:00だったのでゆっくり読書を愉しんでからチェックアウト。

 昼飯は『京極スタンド』で酒を飲むことにして2km弱を歩いた。三条大橋から鴨川の北を眺めやると山々はうっすら雪をかぶっていた。

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『京極スタンド』は12:00開店。ほぼ開店と同時に入店した。既に8人ばかり客がいたが全員飲んでいる。いいではないか。「バチあたりなヤツばかりやなぁ」と心の中でつぶやきながら、生ビールとハムカツを注文。朝から酒、昼から酒、この罪悪感が酒のうまさを2倍にも3倍にもするのだ。近くの席に私と同じく本を読みながら酒を飲んでいるご同輩も見かける。よろしおますなぁ、この空間。追加で注文した角ハイもグイッと飲み干し、早めに店を出た。こういう店の長っ尻はいけません。京セラ美術館は親戚の人と15:00待ち合わせである。時間があるので近くの喫茶店で本を読んで時間調整した。

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『京都京セラ美術館』では「日展」が開催されており、今日が最終日である。入場するとここで学芸員をしている同級生の顔が見えた。すこし美術館内の案内をしてくれた。ありがたい。ほとんどの作品が写真撮影OKになっている。審美眼などない私であるが、好みの画3点を撮った。

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 夜は親戚の人が『瓢正』の席を予約してくださった。川端康成の小説「古都」にも出てくる店である。親戚の顔もあるので、写真をバチバチ撮る無粋な真似は控えたが、見た目も味も京都らしい肴が次々出て来た。すべてがおいしかった。伏見の酒を燗でやったあとは加茂鶴の大吟醸を冷やでやった。〆はこの店の名物「鯛の笹巻きずし」。
 カウンターの正面に川端康成がこの店に出した手紙が額に入れて掲げてある。店主の承諾を得て写真を撮らせてもらった。店から川端に送った松茸の礼状で、秋のうちにまた店に行くのを楽しみにしているといったことが書いてあります。

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 もう一軒とお誘いいただき、すぐ近くの『きんぎょ屋』に行った。マッカランハイボールを数杯いただく。今日も良く飲みました。

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