佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『これは経費で落ちません!7 ~経理部の森若さん~』(青木祐子:著/集英社オレンジ文庫)

2022/04/04

『これは経費で落ちません!7 ~経理部の森若さん~』(青木祐子:著/集英社オレンジ文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

会社合併を控え、異例の若さでの主任昇進を打診された沙名子の悩みはつきない。給料は大して増えないのに、責任が増えると思うと憂鬱になる。女性活用を推進したい会社の方針で、優秀だからではなく女性だからという理由の昇進なのだろう。結婚や出産することは会社に迷惑をかけることになるのか。合併予定の会社のひとつ、トナカイ化粧品でほぼひとりで経理を担ってきた槙野という童顔の男と経理システムについての調整作業をする中で、彼のつけている腕時計がトナカイ化粧品の給料からするとずいぶん高級な物だと気づいた沙名子は、詮索してしまう自分を戒めるが……?同期入社の入浴剤開発者・鏡美月の結婚式も行われ、沙名子と太陽の関係にも重大な変化が!? 大人気シリーズ第7巻!

 

 

 

 このシリーズは大好きで「6」は2019年7月に読んでいる。3年近くご無沙汰していたが、その間に「7」「8」「9」が上梓されていた。先日、本屋に行ったとき「9」が新刊で出ていて気づいた次第。さっそく「7」から「9」をまとめて買い、今回、ゆめしま海道花見サイクリングに携行した。昼間は島々を走り、夜は海の幸を魚に酒を飲んだのでほとんど読めなかったが、二日目を早く切り上げ、宿で夕食まで3時間ばかりの時間を使って一気に読んだ。

 相変わらず沙名子の仕事ぶりは素晴らしい。天天コーポレーションがトナカイ化粧品を吸収合併するにあたり、巧妙に隠された経理上の異常値を見破る。会社ではいろいろなことがある。経営者も、幹部も、従業員もいろいろだ。ささやかな事件は起こる。しかしそのことで社内にさざなみがたっても、この会社にはそれをやんわり包み込んでしまうようなしなやかさがある。いや単にゆるい会社なのかもしれないが。そんな天天コーポレーションは今日も平和だ。

 今巻の終盤で太陽の転勤が決まる。沙名子の心中はおだやかでない。自分のペースを大切にする沙名子だが、それだけ太陽が好きになったと言うことか。ほほえましい。