2022/08/27
映画『はじまりのうた （原題：BEGIN AGAIN）』（監督：ジョン・カーニー、2013年アメリカ）を観た。
ニューヨークの街角を録音スタジオに！？
ミュージシャンの彼デイブ（アダム・レヴィーン）に裏切られ、ライブハウスで歌う失意の主人公グレタ（キーラ・ナイトレイ）。偶然居合わせた落ちこぼれの音楽プロデューサーのダン（マーク・ラファロ）との出会いがデビューの話しへと発展するが、録音スタジオは、なんとニューヨークの街角！？！？ 路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームとゲリラレコーディングは実施され、この無謀な企画が小さな奇跡を起こし始める。そしてアルバムが完成したその日、誰もが予想できなかった最高の「はじまり」が待っていた。
イギリスからニューヨークへとやって来たシンガーソングライターのグレタ。音楽をやっている者ならば誰もがレコード会社と契約し、自分の歌う曲が大ヒットすることを夢みるだろう。大衆へのウケを狙う音楽ビジネス視線とアーティストとしての視線がせめぎ合う。金銭的な成功もしたいけれど、自分の大切な音楽は自分自身のイメージする音と表現で伝えたい。ほんとうに大切なものはどちらか、それは紛うかたなく後者だった。
ワシントンスクエアやセントラルパーク、地下鉄、エンパイアステートビルなどといったニューヨークの街中で、ただただ音楽が好きで演奏を楽しむ者が寄り集まり、セッションを録音することでアルバムを自主制作する。あたかも街角で音楽が生まれる瞬間に立ち会ったかのような感覚がエキサイティングだ。良い映画でした。
