佐々陽太朗の日記

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『朝日新聞への論理的弔辞 西村幸祐メディア評論集』(西村幸祐:著/ワニ・プラス)

2023/01/18

朝日新聞への論理的弔辞 西村幸祐メディア評論集』(西村幸祐:著/ワニ・プラス)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

朝日新聞は、なぜ、そこまで日本を憎んできたのか。
メディア論の第一人者が満を持して放つ評論集。
朝日新聞がすでに喪われた存在であることをえぐり出し、証明する表題エッセイに加え、雑誌などに発表したメディア批評を厳選して収録。平成日本の〈失われた30年〉の実態を、メディアを通して描く決定版、ついに発売。
私たちの手で朝日新聞の葬儀を礼に則り、しっかり執り行わなければならない。そのためにも〈弔辞〉が必要とされる。日本に悪霊が取り憑いても日本人は禊(みそぎ)と祓(はら)えで憎悪(ヘイト)を無力化できるからである。

 

 

 

 いやはや胸くそ悪いものを読んでしまった。朝日の悪行はそのおおかたを知っているつもりであった。しかし西村氏によってつまびらかにされた本書を読んで、まだまだ知らなかったものが山ほどあることに愕然とする。いや朝日だけでなく、共同通信、毎日、NHK、テレビ朝日、TBS・・・・とオールドメディアの数々の悪意ある偏向報道といったら、日々TV、新聞で見聞きするたびに血圧が上がり、頭がクラクラするほどだ。これでは身がもたないと、最近はTVの報道系番組は「BSフジ LIVE プライムニュース」と「BS日テレ 真相NEWS」の二本にしぼり、他はできるだけ見ないようにしている。新聞の購読も止めた。おかげで少しは心の平安を取り戻した。

 本書を読んで改めて怒り心頭に発したわけだが、何よりも腹立たしいのはやはり慰安婦問題に関連したいきさつである。慰安婦問題について、朝日新聞はすでに2014年8月に誤報であったことを認め一応のお詫びはした。しかし朝日新聞が最初に慰安婦問題を報じたのは1982年のこと。そしてその10年後にはその根拠となる証言がかなり疑わしいことが他紙によって明らかにされたにもかかわらず、朝日はそれを無視して2014年までさらに20年以上もの長い間誤りを認めることなく同様の報道を続けてきたという事実。そしてようやく2014年8月にその誤りを一部認めたは良いが、誤報のため取り消したという記事をその時には明らかにせず、その二ヵ月後の10月、さらに12月にと遅れて公表するという姑息なことをやったという事実。そのうえ何よりも腹立たしいのは誤りを認め取り消したという19本の記事のうち3本については今日に至るまで未だ公表されていないということだ。これは知らなかった。もしこれが西村氏の仰るとおりなら大問題だろう。

 本書の題名となった「論理的弔辞」は三島由紀夫氏のエッセイ「砂漠の住民への論理的弔辞」から拝借したとのこと。キツイ表現だが、本書を読み、さらに朝日が慰安婦問題の誤報を認めた2014年から9年経ってなお反省の色のない報道姿勢を見るに、やはり朝日新聞は終わっているといわれても仕方が無いだろう。

 次は『日本学術会議の研究』(白川司:著/WAC)を読むつもりで手元に置いているが、しばらく別のものを読んで怒りが治まるのを待たねばなるまい。さもなくばほんとうに反吐がでかねない。