佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

四度目の氷河期

ぼくはその穴ぼこを埋めるのに十七年十一ヶ月かかった。

来月、十八歳になる僕には人生のすべての時間だ。

四度目の氷河期 (新潮文庫)

四度目の氷河期 (新潮文庫)

『四度目の氷河期』(荻原浩・著/新潮文庫)を読みました。

裏表紙の紹介文を引きます。

小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。あの日、ぼくは母さんの書斎で(彼女は遺伝子研究者だ)、「死んだ」父親に関する重大なデータを発見した。彼は身長173cm、推定体重65kg、脳容量は約1400cc。そして何より、約1万年前の第四氷河期の過酷な時代を生き抜いていた―じゃあ、なぜぼくが今生きているのかって?これは、その謎が解けるまでの、17年と11ヶ月の、ぼくの物語だ。

やっぱり好きです、荻原氏の小説。私はもう「青春」という言葉を口にするのも照れくさい歳になってしまったが、この青春小説にのめり込みました。

父はどんな人だったのか。姿どころか名も知らない。そんな父を僕は17年と11ヶ月をかけて探し求めた。生まれながらに父のいない僕が大人に成長する姿を描く。そこにはいつも母さんがいた。そして、同級生のサチの存在があった。男の子は母を、あるいは恋する女の子を守りたいと思った瞬間から男になるのかも知れない。