佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「赤茎ほうれん草のバター醤油炒め」で「海響 純米大吟醸」をやる

2025/11/07

 本日の厨房男子。

 近所の同級生が畑で育てた赤茎ほうれん草をバター醤油炒めにした。

 酒は「海響 純米大吟醸」。娘夫婦が旅先の下関から送ってくれたもの。蔵元は『下関酒造』とのことだが、この蔵の酒は初めて飲む。大吟醸なので一日冷蔵庫で冷やして飲ませていただいた。一口目の印象は、大吟醸の割に穏やかな香りだということ。大吟醸は香りを強調したものが多いが、この酒は敢えて香りをおさえたか。二口目の印象は柔らかい口当たり。個性を強調しすぎず、かといって淡泊に過ぎず、まろみのある甘みをじっくり味わえる。今日は「赤茎ほうれん草のバター醤油炒め」に合わせてみた。バターの風味と相俟って良い感じだが、白身魚のムニエルにも合うかもしれない。いや、脂ののった鰤の照り焼き、あるいはカラスガレイの煮付けも良いかもしれない。それとも刺身に合わせてみるか。大吟醸酒は食前に香りと上品な味そのものを楽しむ酒というイメージがあるが、これはいろいろな料理に合わせてみると面白いかもしれない。冷やして飲むだけではなく、常温で、あるいは燗で飲んでみるのも良いかもしれない。一升瓶でたっぷりあるので、しばらくはいろいろ楽しめそうだ。

 もう一品の肴は「鶏むね肉の南蛮漬け」。

 〆ごはんは「シーチキンとにんじんとコーンの炊きこみごはん」。

 

「鶏皮の土手煮」、「カボチャの肉巻き」で「奥播磨 山廃純米吟醸 山田錦」をやる。

2025/11/06

 本日の厨房男子。

 夕餉に「鶏皮の土手煮」、「カボチャの肉巻き」を作った。カボチャはご近所さんからいただいたもの。ありがとうございました。
 酒は「奥播磨 山廃純米吟醸 山田錦」。

 

『カエルの楽園2020』(百田尚樹:著/新潮文庫)

2025/11/06

『カエルの楽園2020』(百田尚樹:著/新潮文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がり始め…。国難を前に迷走する政府やメディアの愚かさを浮き彫りにし、三通りの結末を提示する、警告と希望の書。

 

 

ネットで大反響の寓話を緊急刊行!!コロナ禍の日本に投げかける、警告と希望の書。 二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢から一夜明け、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたものの、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がりはじめ……。国難を前に迷走する政治やメディアの愚かさ、滑稽さを浮き彫りにし、衝撃の三通りの結末を提示する。『カエルの楽園』の続編として新たに書き下ろしされた寓話小説。ネット公開時に大きな反響を呼んだ作品に加筆修正を施した完全版。

 先月の末、『カエルの楽園』を読んだ。本作はその続編。前作では主人公のアマガエル(ソクラテスとロベルト)が初めはカエルの楽園と思ったナパージュ(JAPANを逆に読んだものと思われる)が実は楽園でも何でも無く、誤った思想を盲信したあげく滅んでいく姿が描かれた。本作ではナパージュに幻滅し、明日にはナパージュを後にしようと決意して眠った翌朝からの話。目覚めた二人はナパージュが前夜まで違っていることに気づく。なんと時間が巻き戻され過去に戻っていたのだ。しかもその過去は昨日まで経験した過去と少し変わっていた。前夜までいた世界とは少しだけ違う世界(パラレルワールド)に身を置いていたのだ。その世界では一見ウシガエルとツチガエルが平和に共存しているように見えた。しかしお隣のウシガエルの国でおそろしい感染症が発生し、カエルがバタバタ死んでいるという。本書ではナパージュが新型感染症の脅威にさらされ右往左往する様子が描かれる。言わずもがなのことだがその様子はかつてのコロナ禍における日本そのものだ。さらに百田氏はその結末を三とおり提示する。

 百田氏は「あとがき」に日本のコロナ禍における現実をそのままなぞって寓話にした理由を次のように語っています。

 私たちはふだんの日常生活において、新聞で論説委員が書いた社説やコラムを読みます。またテレビでコメンテーターや学者が語ることを聴きます。国会で議員たちが国政を論じているのを見ます。彼らはいずれも高学歴で、知識も教養もあります。それだけに、その発言ももっともらしく聞こえます。しかし、彼らをカエルに置き換えて、同じセリフを言わせてみると、実生活では気づかなかった滑稽さ、愚かさ、間抜けぶりが見えてくるのではないかと思っています。これが、私が『カエルの楽園2020』を書いた理由です。

 百田氏のこの言葉に私はハッとさせられました。つまり私たちが新聞やテレビなどのマスコミの言説をいかに信じやすいか、言い方を変えれば、有名人、知識人の権威に弱く騙されやすいかということにはたと気づくのです。同じ言葉がカエルのセリフに置き換わっただけで、権威のフィルターが取り除かれ、一見高度な見識にみえる考えが実は陳腐なものでしかなかったことが分かってしまうのです。このことに気づかされたのは私にとって大きな収穫でした。本書を読んで良かったと思います。

 

jhon-wells.hatenablog.com

「ひらめの煮付け」、「じゃがいものお焼き」で「奥播磨 山廃純米吟醸 山田錦」をやる

2025/11/05

 本日の厨房男子。

 夕餉に「「ひらめの煮付け」、「じゃがいものお焼き」を作った。「じゃがいものお焼き」は蒸かしたじゃがいもと米粉、コンビーフ、チーズを丸めてフライパンでこんがり焼いたもの。

 酒は「奥播磨 山廃純米吟醸 山田錦」。やはりうまい。下村酒造の「奥播磨」と壺坂酒造の「雪彦山」は地元の誇りですなぁ。

 ちなみに翌日の朝ごはんは「グリーンカレー」。「じゃがいものお焼き」をトッピング。

 

『雫峠』(砂原浩太朗:著/講談社)

2025/11/05

『雫峠』(砂原浩太朗:著/講談社)を読んだ。 

 まずは出版社の紹介文を引く。

神山藩が舞台の『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』『霜月記』に連なる最新作。国を棄てるかもしれぬ。だが俺が知らぬ顔したら、義妹は死ぬ。武士の理にあらがった二人の逃避行を描く表題作を含む、四季薫る神山の原風景と、そこに生きる人々の気品が漂う作品集。山本周五郎賞作家が織りなす、色とりどりの神山のすがた。「半夏生」国の堤を支える父と弟。彼らの背中は清く大きかった。「江戸紫」藩主の病が招く騒擾を防ぐ妙案はいかに。「華の面」能を通じて思い知る、同い年の藩主の覚悟。「白い檻」神山の厳冬。流刑先での斬り合いに漂う哀愁。「柳しぐれ」町を駆ける盗人の、一世一代の大仕事。「雫峠」神山を出ると決めた、二人の間に芽生えた思い。~「神山藩シリーズ」とは~架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

 

 図書館で借りた本。半年ほど前に予約したのだが、ようやく順番が回ってきた。なかなか人気のようです。さもありなん。私は一昨年に『高瀬庄左衛門御留書』(講談社)を読んで砂原氏の小説にぞっこん惚れ込んだ。すぐに神山藩シリーズ第二作『黛家の兄弟』(講談社)を読んだのは言うまでもない。本書は神山藩シリーズの第四作。ん? 第三作『霜月記』を読み飛ばしているではないか。なんとも迂闊であった。すぐに図書館に予約を入れよう。

 さて本書は上の紹介文にあるように短編集である。このシリーズ、いずれの作品もなんとも言えぬ情感にあふれている。それは決して激しすぎず、グッとこらえたものだが、それだけに思いの強さと深さはホンモノだ。収められた六篇のうち何篇かは男女の思いが描かれるが、それも節度があって、だからこそ切ない。いつまでも砂原氏の世界に浸っていたい。そんな風に思えるのは藤沢周平を読んだときと共通のものだ。

 六篇のうち「半夏生」が特にお気に入り。

『山の足音 山のえくぼ』(畦地梅太郎:著/山の渓谷社)

2025/11/04

『山の足音 山のえくぼ』(畦地梅太郎:著/山の渓谷社)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

愛媛の自然に育ち、大正から昭和初期の激動の時代に青春期を過ごした畦地梅太郎は、上京後、各地の山を訪ね歩き、「山男」「生きもの」「家族」と、時代とともに作品の主題を変えながら、畦地芸術を深化させていった。畦地が本書で描くのは、畦地が敬愛する山々の自然美と山の生きものたちの姿であり、家族への愛と、故郷・愛媛の自然への憧憬である。
【目次】山の果実(穂高小屋の一ととき顔面白癬 ほか)峠から峠へ(峠から峠へ南土佐の山)信濃路の回想(戸隠の回想涸沢・上高地 ほか)北アルプスの記(白馬大雪渓雪渓はくたびれる ほか)山のえくぼ(山のえくぼ山と山の神 ほか)

 

 畦地梅太郎氏が山岳雑誌に発表した紀行文と版画をまとめた画文集。先日、愛媛県美術館を訪れた時、ショップで買いもとめたもの。本の奥付に「一九六〇年発行『山の足音』と『山のえくぼ』(ともの創文社刊)を底本とし、著者の版画作品を新たに加えました。」とある。

 文章は素朴で温かみがある。世にあるエッセイの多くはちょいと粋を気取ったものが多い。つまり格好をつけるというか、読者を唸らせようとするものが多いのではないか。それはエッセイストの技術であり、必ずしも悪いこととは思わないが、畦地氏の紀行文にそうしたところが感じられないのが異色だ。私が思うにやはり畦地氏は山を愛した版画家であって、文筆家ではないのかと。しかしそうした文章に独特の魅力がある。読んでいてこちらが構えることがなく、安心する。寝る前に2~3項目ずつ読むのが良いかもしれない。きっとおだやかな心もちでよく眠れるだろう。

 

「油揚げの射込み焼き」で「杉錦 山廃純米 秋あがり 誉富士」をやる

2025/11/04

 本日の厨房男子。

 晩酌の肴に「油揚げの射込み焼き」を作った。油揚げにいれた具は肉味噌納豆。酒は「杉錦 山廃純米 秋あがり 誉富士」。穏やかで飲み口の良い純米酒。甘みも控えめで辛口ながら、秋あがりらしく熟成した旨味のある酒。燗にして良し。

 〆はヤマダストアーの「あんかけバリメン」。我が家の定番です。今日は青梗菜、ピーマン、にんじん、白菜、しめじ、えび、イカを使った餡。

 

「「あんかけバリメン」(白菜、ピーマン、にんじん、えび、イカ)、「「」。酒は