佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

デストロイヤーのグリル焼き、ザワークラウト

2022/06/24

 本日の厨房男子。

 夕餉は「デストロイヤーのグリル焼き」「ザワークラウトとフランクフルト」「夏野菜のスープ」。

 酒は「三岳」をロックで。

「デストロイヤー」は義弟がくれたもの。確かに見かけは覆面レスラーのよう。正式名は「グランドペチカ」というらしい。紅褐色で覆面をかぶったかのような見かけはインパクトがある。中身は鮮やかな黄色。初めて食べたがしっかりした肉質で粘りがあり味は濃厚。グリルで焼いてバターをつけただけだがおいしくいただけた。

ザワークラウト」はご近所からいただいたキャベツを保存のため5日前に2%の塩をまぶして漬けて置いたもの。発酵して酸味がでてきた。フランクフルトに合わせるとうまい。

 スープの材料も冷蔵庫の野菜室にある夏野菜。ズッキーニ、人参、大根、さやいんげん、すべて知人やご近所さんからのいただきもの。コンソメスープの素と仁尾酢で味付けした。仁尾酢のしっかりした酸味が効いてうまい。サッパリした酸辣湯みたいな味に仕上がった。

 

ザワークラウト仕込み(5日前)

ザワークラウト(今日)

覆面をかぶったかのような見かけのデストロイヤー(グランドペチカ)

割り箸の高さ(5mmほど)残してデストロイヤーを切る。

 

『鴨川食堂 しあわせ』(柏井壽:著/小学館おいしい小説文庫)

2022/06/24

『鴨川食堂 しあわせ』(柏井壽:著/小学館おいしい小説文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

「もう一度食べたい」を叶えてくれる食堂が、京都にはあるらしい―。料理雑誌の一行広告に導かれ、迷い人が訪れるのは、鴨川流・こいし親娘が営む食堂だった。失踪した父にどうしても伝えたいことがある「焼鳥」、亡き妻に秘めた想いの「駅弁」、夫の浮気が頭から離れない「イタリアン」、情よりお金を選んだ「巻き寿司」、恋人の心残りである「フィッシュアンドチップス」、弟との最後の食事になった「すき焼き」…。温かく心の籠もったおもてなしで、依頼人の悩みに寄り添います!さらにボリュームアップして帰ってきた、美味しいミステリー最新作、第九弾!

 

 

 

 このシリーズも本作で第9弾。初めて読んだのは2015年1月12日のこと。もう7年も前のことになるのか。依頼、このシリーズはすべて読んで来た。

 今作も思い出の味をさがすエピソードが六編。人それぞれに人生があり、その記憶を象徴するような味がある。それはほろ苦かったり、甘酸っぱかったり様々だが、その人の記憶にくさびのようにささって忘れられないものばかり。あくまでプライベートなものであるが、それだけに何ものにも代えがたいものだろう。その意味ではプライスレス。各エピソードに必ず依頼人が調査料としていくら支払えば良いかを尋ねる場面があるが、「料金は決めていない。気持ちに見合った金額を振り込んで欲しい」と答える。下世話な話だが、いったいいくらぐらい振り込まれるのだろうと気になったりもする。

 思い出の味をさがすことは、過去を掘り返すことでもある。そしてその過去は必ずしも幸せなものではない。たとえ今は成功者であっても、過去には痛烈な失敗や筆舌に尽くしがたい苦労があったろう。やり直しが出来ないだけに悔いていることも多いだろう。もう一度、思い出の食べものを味わうことで依頼人が過去にどのような決着をつけたか。読者はそれを想像することで、登場人物の人生を味わうことになる。

 今作六編の中で、私の好みは「巻き寿司」のエピソード。子を思う親の心には勝てない。既に二親とも亡くしている私にはこうしたエピソードがグサリと刺さる。自分一人で生きてきたなどと思い上がっていなかったろうか。謙虚さを忘れてはいけない。そう思った。

 

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映画『前科者』(2022年1月、日本)

2022/06/22

 映画『前科者』(2022年1月、日本)を Amazon Prime Video で観た。罪を犯した前科者たちの更生、社会復帰を目指して奮闘する保護司の姿を描いた同名漫画(原作・香川まさひと/作画・月島冬二)を映画化したものらしい。

 映画会社の触れ込みを引く。



 良い映画でした。かなり良かった。小説の映画化には作品の良さを捉えきれずガッカリさせられることが多いが、漫画の映画化は成功しやすいのかもしれない。特に森田剛(工藤誠役)、若葉竜也(誠の弟・実役)の好演が眼を引く。終盤、再び人を殺めてしまいそうになる工藤誠(森田剛)に阿川佳代(有村架純)が対面した場面の森田の演技の素晴らしかったこと。観ている私にも阿川保護司の温かさが胸に迫りもらい泣きしてしまった。

 もうひとつ、触れておきたいのは警視庁刑事役のマキタスポーツとコンビニ店長役の宇野祥平の演技。これがイイ。脇役ながらさりげない演技に他の役者にない味わいがあった。素晴らしい。

 

 

よだれ鶏、ジャンボニンニクの素揚げ、精進揚げ

2022/06/21

 本日の厨房男子。

 夕餉に「よだれ鶏」を作った。蒸し暑い日は酸味と香味でサッパリと。

 また弟がジャンボニンニクとじゃがいも(デストロイヤー)を持ってきてくれた。デストロイヤーは後日食べるとして、ジャンボニンニクは「精進揚げ」にあわせて素揚げした。こりゃあスタミナつくわ。

 酒は滋賀県高島市の銘酒「萩の露 純米吟醸 別誂え」。暑い日にはキリッと冷やしてやるとたまらん。

 

映画『星の子』(2020年10月、日本)

2022/06/21

 映画『星の子』を観た。劇場ではなく、Amazon Prime Videoである。映画公式サイトの触れ込みを引く。

 原作は芥川賞作家の今村夏子、主演が芦田愛菜。良い映画だと思う。しかしやはり私は観るべきではなかった。個人的なことだが、私は宗教が嫌いである。それが新興宗教となれば、しかも信者の弱みにつけ込んでものを売ったりあやしげな祈祷で金を巻き上げる類いのものとあっては反吐が出る。そうしたことを見聞きすると怒りのあまり平静を失うほどだ。それが小説や映画といったフィクションであってもである。そうしたまやかしに関係して平気なヤツを、信じ込ませる方、信じ込む方、双方を許せないのだ。キツい言い方だが、軽蔑し憎んでいると言ってもいい。別に私が被害に遭った経験があるわけではないのだが、そうした人間の存在が私をイライラさせる。

 よく最後まで観られたものだと思う。主演が芦田愛菜でなければ途中で止めていたかもしれない。配給元の触れ込みにあるような「感動」はなかった。別に原作や映画の出来が悪いわけじゃないので、こんな風にディスってしまうのは良くないことなのだろう。あくまで私の個人的な感想であるし、日記として書いているので許していただくしかない。

 

 

 

『虚けの舞』(伊藤潤:著/幻冬舎時代小説文庫)

2022/06/20

『虚けの舞』(伊藤潤:著/幻冬舎時代小説文庫)を読んだ。

 まずは出版社の紹介文を引く。

天下人となった豊臣秀吉によって、すべてを奪われた織田信長の次男・信雄、関東の覇者を誇る家門を滅ぼされた北条氏規。二人は秀吉に臣従し、やがて朝鮮出兵の前線である肥前名護屋に赴く。その胸中に去来する思いとは何だったのか?屈辱を押し殺し苛烈な時代を生き抜こうとした落魄者の流転の日々を哀歓鮮やかに描ききる感動の歴史小説

 

 

 歴史小説、それも戦国ものとなれば主人公はヒーローとして描かれるのが常道。この場合、ヒーローは必ずしも勝者ではない。判官贔屓とよく言われる我々日本人の精神性ゆえか、歴史上敗れ去った者もまたヒーローとなる。たとえ敗者であっても賞賛に値する行為を行った者であれば小説の主人公たり得るのだ。要するに小説の主人公はすごい男(あるいは女)なのだ。と、思っていた。ところがどうだ。本書の主人公は織田信雄北条氏規織田信雄がかの織田信長の子だということは知っている。しかしすごい男だったのだろうか? 北条氏規に至っては北条盛時(早雲)を初代とし、氏綱、氏康、等々代々数ある「北条 氏X」の中の誰だっけ、と系図をあたらなければわからない人物である。この二人、信雄も氏規も落魄の身である。特に信雄はそのダメダメぶりが目立つ。

 この二人に我々が好みカッコイイと思う”滅びの美学”はない。”滅びの美学”とは何か。少々乱暴かもしれないが私はそれを「たとえ死が訪れようとも最後まで己の信念を貫き、一歩も引かぬ覚悟と矜持」と表現したい。この物語にはそれが無いのだ。あるのは絶対権力者の秀吉にひれ伏し、妥協し、生き残りを図る姿である。読みながら何度「みっともなく生きるくらいなら、誇りある死を」と思ったことか。おそらく信雄も氏規も秀吉から理不尽で屈辱的な扱いを受ける度、何度もそう思い迷ったに違いない。しかし彼らは生き延びる道を選んだ。織田の血を、北条の血を残す道を。

 伊藤潤氏はそんな二人を主人公に物語を書くことで、ただヒロイズムで読者を酔わせる列伝ではなく、人間の心情、心の襞を描くことに成功している。小説として成功したと言えるのではないか。こんな風な戦国ものがあったのか。まさに目から鱗であった。