佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

朝カレー

2021/05/05

本日の厨房男子。

昨日の朝から仕込んだカレーの朝餉。

久しぶりに和風だしと市販のカレールーを使って甘めのカレーに仕上げました。

大振りのジャガイモと人参ゴロゴロの懐かしい味。

体が喜んでいる気がする。昨晩はそんなに吞んだのだろうか。

最近、酒量認知症が進んでいる・・・気がする。

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『憲法くん』(松元ヒロ:作/武田美穂:絵/講談社)

2021/05/03

憲法くん』(松元ヒロ:作/武田美穂:絵/講談社)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

「こんにちは、憲法です。70歳になりました。わたしがリストラされるといううわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか」そんな科白からはじまる、芸人・松元ヒロ氏のひとり芝居『憲法くん』の舞台を、平和を愛してやまない絵本作家・武田美穂氏が絵本に仕立てます。憲法改正の動きが急な状況のなかで、本書は静かに、心をこめて、「日本国憲法」の大切さを訴えます。

 

憲法くん

憲法くん

 

 

 

 2021年の憲法記念日。雲ひとつないみごとな晴天です。しかし、世はコロナ禍で不要不急の外出自粛が要請されています。午前中にロードバイクでトレーニングをした後は自宅に籠もっています。そこで今日は何を読もうかと積読本の本棚から選んだのがこれ、『憲法くん』です。

 作者の松元ヒロさんはコントグループ「ザ・ニュースペーパー」の元メンバー。1998年からは独立して、今はピン芸人として活躍なさっています。風刺の効いた芸風は小気味良く、ところどころ私の考えとの違いを感じつつもファンでいます。本の帯に本書に寄せた松元氏のメッセージがあります。

憲法くんは、まだまだ元気です。

平和のことも政治のことも、楽しく語り、

笑いとともに考えていくつもりです。

だからみなさん、

憲法くんがいつまでも元気で長生きできるように、

みんなで力を尽くしましょう。

 明らかな護憲派です。本書も憲法9条を題材としたネタを絵本にしたものです。

 この本の肝は次のとおりかと思います。憲法くんはあるとき憲法を変えたいという人に質問をしました。「どうして、わたしを変えようとするんですか?」と。そうしたら答がこう返ってきました。「現実にあわないからだよ」と。それを聴いた憲法くんの主張はこうです。憲法は戦争が二度とあってはならないという思いから生まれた理想だったのではないか。理想と現実がちがっていたら、ふつうは、現実を理想に近づけるように努力するものではないのか、と。

 正論です。強烈なインパクトを持って聴く者の胸を打つ言葉です。読んだ私も思わず「おぉ!」とのけぞったほどです。しかし、私の胸中にはなにやらモヤモヤが残ります。私も「憲法が現実にあわない」と考える一人だから。つまり改憲論者なのだと言ってしまって差し支えありません。

 その後に、憲法前文が引かれます。一部を抜粋し、私が憲法を考えるうえで重要だと思う部分を強調して引きます。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。

 

 ここで私のモヤモヤの原因が明らかになります。後段の「われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する」には全く異存ありません。問題はその前、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」の部分です。「平和を愛する諸国民」はいったいどこにいるのか。信頼に足る「公正」と「信義」はいったいどこにあるのだろうか。はなはだ疑問と謂わざるをえません。そもそも日本がこの占領憲法を押しつけられたとき、本当の意味で平和を愛する諸国(国民)などどこにあったというのでしょう。平和にもいろいろなかたちがある。それぞれの国が自国に都合の良い平和を愛していたのではないか。この占領憲法を押しつけた国ですらあれから75年も経った未だに戦争に手を染めているではないか。現実と理想にギャップがありすぎるではないかと。現在の周辺諸国の公正と信義は信頼するに足りないと。北方領土は返還されない。竹島は不法占拠されたまま。我が国の国民を拉致して帰さずミサイルで脅しをかける国がある。尖閣諸島も脅かされている。

 そう、私のモヤモヤは「平和憲法はその前提が崩れている」という点にあります。たまたま私は昨日、マキアヴェリの『君主論』を読んでいました。マキアヴェリは『君主論』にこう記しています。

  • 人は戦争を回避したさに、混乱をそのままもちこすべきではない。戦争は避けられないものであって、ぐずぐずしていればあなたの不利益をまねくだけだ。(第3章「混成型の君主国」より)

  • 人が現実に生きているのと、人間がいかに生きるべきかというのとは、はなはだかけ離れている。だから、人間いかに生きるべきかを見て、現に人が生きている現実の姿を見逃す人間は、自立するどころか、破滅を思い知らされるのが落ちである。なぜなら、何事につけても良い行いをすると広言する人間は、よからぬ多数の人々の中にあって破滅せざるをえない。したがって、自分の身を守ろうとする君主は、よくない人間にもなれることを習い覚える必要がある。(第15章「人間、ことに世の君主の、毀誉褒貶はなにによるのか」より)

  • 愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。・・・・ 人間はもともと邪なものであるから、ただ恩義の絆で結ばれた愛情などは、自分の利害のからむ機会がやってくれば、たちまち断ち切ってしまう。ところが、恐れている人については、処刑の恐怖がつきまとうから、あなたは見放されることがない。(第17章「冷酷さと憐れみぶかさ。恐れられるのと愛されるのと、さてどちらがよいか」より)

  • どこの国もいつも安全策ばかりとっていられるなどと思ってはいけない。いやむしろ、つねに危ない策でも選ばなければならないと、考えてほしい。物事の定めとして、一つの苦難を避ければ、あとはもうなんの苦難にも遭わずにすむなどと、とてもそうはいかない。思慮の深さとは、いろいろの難題の性質を察知すること、しかもいちばん害の少ないものを、上策として選ぶことをさす。(第21章「君主が衆望を集めるには、どのように振るまうべきか」より)

 75年前に制定された日本国憲法より約500年ちかく前に書かれた『君主論』のほうが現実に即していると思えるが如何か。特に下線を引いた箇所などはマキアヴェリの慧眼ゆえの箴言と思う。

 世界はこの75年間に少しはましになっただろう。しかし現状を見るに理想はまだまだはるか遠くにあり、憲法くんが主張するようには行きそうもない。残念なことだが、現状はマキアヴェリの言葉に耳を傾けたほうが良さそうだ。だがいつか「憲法くん。君の言うとおりだね」と言える日を夢みます。良い本を読ませていただきました。

 

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『君主論 新版』(マキアヴェリ:著/池田廉:訳/中公文庫)

2021/05/02

君主論 新版』(マキアヴェリ:著/池田廉:訳/中公文庫)を読みました。先日『よいこの君主論』(架神恭介+辰巳一世:著/ちくま文庫)を読んで、私の頭でも分かるかたちで予備知識を得て、理解の下地を作っている。そのうえで本書を読むという用意周到さ。まさに準備万端のかたちで本書に向き合ったのであります。強敵に立ち向かうに当たって、己の能力を過信することなくそれなりの事前準備をする。これこそ君主に求められる行動でありましょう。

jhon-wells.hatenablog.com

 

 本書を読んで分かったのは、本書が私が予想したように難解な書ではないこと。マキアヴェリの論旨は明快。そのような論旨に至った理由をマキアヴェリが生きた時代と過去の事例を引きながらつまびらかにしてくれる。さらに注釈が丁寧に施されており、歴史に疎い私にはありがたかった。五百年も前に書かれたものであっても今の時代に応用可能な絶対的教訓は、マキアヴェリがいかに透徹した洞察力に富んでいたかを物語る。

 特に感心した箇所を以下に引いておきたい。

 

時を待てば、何もかもがやってくる。良いことも悪いことも、いずれかまわず運んできてしまう。

              (第3章「混成型の君主国」より)

 

人は戦争を回避したさに、混乱をそのままもちこすべきではない。戦争は避けられないものであって、ぐずぐずしていればあなたの不利益をまねくだけだ。

              (第3章「混成型の君主国」より)

 

要するに、加害行為は、一気にやってしまわなくてはいけない。そうすることで、人にそれほど苦汁をなめさせなければ、それだけ人の憾みを買わずにすむ。これに引きかえ、恩恵は、よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはならない。

    (第8章「悪らつな行為によって、君主の地位をつかんだ人びと」より)

 

人間というものは、危害を加えられると信じた人から恩恵を受けると、恩恵を与えてくれた人に、より以上の恩義を感じるものだ。

              (第9章「市民型の君主国」より)

 

人間というものは、その本性から、恩恵を受けても恩恵をほどこしても、やはり恩義を感じるものである。

   (第10章「さまざまの君主国の戦力を、どのように推しはかるか」より)

 

人が現実に生きているのと、人間がいかに生きるべきかというのとは、はなはだかけ離れている。だから、人間いかに生きるべきかを見て、現に人が生きている現実の姿を見逃す人間は、自立するどころか、破滅を思い知らされるのが落ちである。なぜなら、何事につけても良い行いをすると広言する人間は、よからぬ多数の人々の中にあって破滅せざるをえない。したがって、自分の身を守ろうとする君主は、よくない人間にもなれることを習い覚える必要がある。

   (第15章「人間、ことに世の君主の、毀誉褒貶はなにによるのか」より)

 

愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。・・・・ 人間はもともと邪なものであるから、ただ恩義の絆で結ばれた愛情などは、自分の利害のからむ機会がやってくれば、たちまち断ち切ってしまう。ところが、恐れている人については、処刑の恐怖がつきまとうから、あなたは見放されることがない。

(第17章「冷酷さと憐れみぶかさ。恐れられるのと愛されるのと、さてどちらがよいか」より)

 

どこの国もいつも安全策ばかりとっていられるなどと思ってはいけない。いやむしろ、つねに危ない策でも選ばなければならないと、考えてほしい。物事の定めとして、一つの苦難を避ければ、あとはもうなんの苦難にも遭わずにすむなどと、とてもそうはいかない。思慮の深さとは、いろいろの難題の性質を察知すること、しかもいちばん害の少ないものを、上策として選ぶことをさす。

   (第21章「君主が衆望を集めるには、どのように振るまうべきか」より)

 

人は、慎重であるよりは、むしろ果断に進むほうがよい。なぜなら、運命は女神だから、彼女を征服しようとすれば、打ちのめし、突きとばす必要がある。

(第25章「運命は人間の行動にどれほどの力をもつか、運命に対してどう抵抗したらよいか」より)

 

「やむにやまれぬ人にとっての戦が正義であり、武力のほかに一切の望みが絶たれたとき、武力もまた神聖である」

(第26章「イタリアを手中におさめ、外敵からの解放を激励して」より_もとはリティウス『ローマ史』に記された言葉の引用)

 

君主論 - 新版 (中公文庫)

君主論 - 新版 (中公文庫)

 

 

2021年4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1710
ナイス数:833

 

 4月は緊急事態宣言発令で家に引きこもっていたが、中旬にまとまった用事があり本を読まなかったので冊数は7に終わった。ただ「ぼろ鳶組」シリーズ、「任侠」シリーズと愉しみにしているシリーズ最新刊が読めたことは僥倖であった。

襲大鳳(上) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)襲大鳳(上) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
18年前、父を喪った大火の亡霊が今になって・・・。源吾はもうあのときのように血気にはやり突っ走るだけの男ではない。亡き父の背中が見えてきている。18年前の大学火事の謎は解き明かされるのだろうか。そして源吾に父のほんとうの心が判るのか。下巻が楽しみだ。
読了日:04月01日 著者:今村翔吾


襲大鳳(下) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)襲大鳳(下) 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)感想
「英雄、英雄を知る」とは確か吉川英治の『三国志』だったか。蝗の秋仁(町火消よ組・頭)、九紋龍の辰一(町火消に組・頭)、縞天狗の漣次(町火消い組・頭)、八咫烏の大音勘九郎加賀藩火消<加賀鳶>・頭取)、菩薩の進藤内記(八重洲河岸定火消・頭取)、そして火喰鳥、松永源吾(新庄藩火消<羽州ぼろ鳶組>・頭取)。共に青き春を過ごし、火消しの才を花開かせた「黄金(こがね)の世代」だ。焔との戦いは命と男の意地をかけた戦だ。いずれ劣らぬ英傑たちが獅子奮迅の働きを見せる姿に高ぶりを抑えきれず喝采を贈った。
読了日:04月02日 著者:今村翔吾


海潮音―上田敏訳詩集 (新潮文庫)海潮音―上田敏訳詩集 (新潮文庫)感想
大昔に読んだっきりの再読。今回すごく良い詩に気づいた。初めて読んだように感じるのは、以前それほど気を留めなかったのだろう一篇だ。ガブリオレ・ダンヌンチオの『声曲(もののね)』です。「われはきく、よもすがら、わが胸の上に、君眠る時、吾は聴く、・・・・」 人を想い、人を愛するひたむきさと孤独をこれほど表した詩が他にあるだろうか。 ともあれやはりこの詩集の中の一番はやはりブラウニングの『春の朝』でした。どのような春にも、この詩は自然の情景と共に私に寄り添ってくる。それは私に喜びと開放感をもたらしてくれる。
読了日:04月04日 著者:上田 敏

 
隣のずこずこ (新潮文庫)隣のずこずこ (新潮文庫)感想
「町に訪れた日にそこにいた人はすべて丸呑みです。村を壊します。ごめんね」って何という不条理。そんな荒唐無稽な小説があるはずがないと人は思うだろう。そんなアホらしい小説が読めるかとも思うだろう。しかし、グイグイ読ませるのです。彼のカフカだって、朝目覚めたら自分が巨大な毒虫になってしまっていたという小説を書いているではないか。そうか、この小説はカフカの不条理なのか。なんてことを考えそうにもなったが、むしろそんな哲学的な深遠さとは無縁の小説のような気がする。ただ、ここに描かれたアホらしい世界を愉しめば良いのだ。
読了日:04月08日 著者:柿村 将彦


女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと感想
西原氏の娘は思春期のまっただ中でろくに口を利いてくれないらしい。西原氏によると思春期とは「心の中のちっちゃな尾崎豊がわんわか暴れている時期」だそうな。なるほど。私は尾崎豊尾崎豊的なものと尾崎豊が大好きだと言うヤツが大っ嫌いだ。「ちっちゃな尾崎豊」なんぞ真っ平御免。たとえ娘が口を利いてくれても、そんなものを心の中に抱えているヤツと話をするなどとこちらから願い下げである。(笑) 西原氏の自分をさらけ出した本音が小気味良い。
読了日:04月23日 著者:西原 理恵子


任侠浴場 (中公文庫 こ 40-38)任侠浴場 (中公文庫 こ 40-38)感想
待った甲斐がありました。腹が据わっている割に気苦労の絶えない代貸・日村と丸顔で童顔のマル暴刑事・甘糟のキャラが立っているのは相変わらずだ。キャラと言えば組事務所に遊びに来る女子高生・香苗もイイ。すごくイイ。 このシリーズはひと言で云うとヤクザのお仕事小説です。ヤクザが奮闘し活躍するユーモア小説でもあります。しかしヤクザだからといって侮ってはいけません。彼らの行動様式、彼らが吐露する心のうちは大新聞の論説なんぞを読むよりも心に響きます。
読了日:04月25日 著者:今野 敏


よいこの君主論 (ちくま文庫)よいこの君主論 (ちくま文庫)感想
凡人は専門的な書物を読むよりも、その道の専門家からレクチャーしてもらったほうが手っ取り早いし、かえって真髄に触れることができるものだ。誤って理解するリスクも避けられよう。子供向けに書かれた本『君主論』は私にとって甚だ有用な書であった。 「ハイエナりょうこ」の異名を取るりょうこちゃんの政略や姦計も怖いが、そうした題材をふくろう先生の講義を受けてマキアヴェリズムをぐんぐん習得していくはなこちゃんが一番怖い。クラス制圧を目論む彼女にとって、他のクラスメートは愚民どもでしかない。怖い。怖いけれど笑える。
読了日:04月29日 著者:架神 恭介,辰巳 一世

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