ウェルズの日記

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『酔いどれ小藤次留書 一首千両 / 佐伯泰英(著)』(幻冬舎文庫)を読む


おりぁ!
おうっ!
武芸舎二人の裂帛の気合いが響いて、ほぼ期せずして同時に動いた。
八双と逆八双に構えられた剣の動きを見定めた小藤次が次直を脇構えに移すと、
すいっ
と呼応して右手に走った。
小さな体が逆八双に構えた相手の内懐に飛び込むと次直が、
ぱあっ
と相手の胴を抜き打った。
電撃の一撃で避けようもない。
げええっ
という悲鳴と、
「来島水軍流、流れ胴斬り」
と静かに告げる小藤次の声が重なり・・・・

一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)

一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)


忠義を尽くす主(あるじ)はただ一人。
思いを寄せる女性(ひと)もただ一人。

佐伯泰英氏の時代小説『酔いどれ小藤次留書 一首千両』を読みました。


裏表紙の紹介文(あらすじ)を引きます。

追腹組との死闘が続く赤目小籐次は、文化十五年元旦、初日の出を遙拝していた江戸湾で流人を救う。だが翌日、男は小籐次の小舟を盗み、姿を暗ませる。秀次親分らの探索で男が千住宿へ向かったことを知った小籐次は後を追うが、その頃、江戸の分限者の間で小籐次の首に懸賞金を掛ける姦計が密かに練られていた。人気シリーズ、待望の第四弾。

いつもながら酔いどれ貧乏侍、赤目小藤次の活躍が小気味良い。
今回は恨みを買った佐賀鍋島藩追腹組から命を狙われるだけでなく、
座興で小藤次の首に千両の懸賞金がかけられ、他の武芸舎からも首を狙われる。
小藤次の来島水軍流の秘剣が冴え渡る。
それにしても、佐伯氏の果たし合いの場の描き方には感心する。
情景が頭に浮かび、一瞬、読者は主人公に同化し無敵の剣豪になりきってしまう。
「カ・イ・カ・ン!」