2月3日
騒乱前夜 - 酔いどれ小藤次留書
そなたが孤軍奮闘、武門の意地を立てたのじゃ、来島水軍の体面を保ったのじゃ。
余が詫びの言葉を口に致せば、そなたの勳(いさお)しを汚すことになると思うた。
なにがあろうとそれだけは致すまいと心に誓うて、城中の詰めの間に赴いた。
『騒乱前夜 - 酔いどれ小藤次留書』(佐伯泰英・著/幻冬舎文庫)を読みました。
裏表紙の紹介文を引きます。
自ら考案した行灯作りを指南する水戸行を目前に、小籐次はならず者に絡まれていた久慈屋の女中・お花を助ける。だが、お花の語る騒動の理由は要領を得ず、やがてその裏には思いもよらぬ企ての潜むことが発覚する。風雲急を告げる水戸行。その帯同者には、なぜか探検家・間宮林蔵の姿もあった―。人気シリーズ、息をもつかせぬ展開の第六弾。
忠義を尽くす主(あるじ)はただ一人。思いを寄せる女性(ひと)もただ一人。酔いどれ小藤次留書シリーズ第六弾です。
損得で動かず、義を見て動く。受けた恩に報いるためには命も顧みない。
人情に厚く、優しき心を秘めつつも、剣は時に非情。
赤目小藤次は男でござる。