人生は無為に過ごすには長すぎる、けれど、何かをやり遂げるには短すぎる
久しぶりの恩田陸さんです。『上と外』を読み始めました。全6巻です。第1巻・素晴らしき休日はわずか154ページ。グリーンマイルの時もこんな感じだったが、この本の薄さ、ジーンズのポケットやスーツの内ポケットに入れやすい。私のように文庫本持ち歩きを基本にしている人間にはけっこうありがたい。
読んでみて、恩田さんはやはり巧い。物語にどんどん引き込まれる。第1巻終盤にちゃんと事件をもってきて、これからどうなるのだ?、早く第2巻を読みたいと読者に思わせるあたり、プロの仕業だ。
また『上と外』という題名も巧いなと思う。「上」が、あるいは「外」がいったい何を意味するのか、第1巻を読みながらいろいろ想像をめぐらせ、ある程度推理しているが、未だ判然とせず確信に至らない。第2巻以降を読むうちにはっきりするのだろう。