佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

JACKSON BROWNE JAPAN TOUR 2017 (オリックス劇場 2017/10/23)

 ジャクソン・ブラウンが前に来日したのはいつのことだったか。Evernoteに保存しているチケットを検索してみると「2015.3.9(月) 愛知県芸術劇場」となっている。そうそう、2年半前のことだ。あのときは仕事の都合で大阪公演には行けなくて、でもどうしても観たいと名古屋まで行ったのだった。あのときの公演も途中に休憩を挟み22:00まで。公演後お目当ての居酒屋に行ったのだが、看板の時間になっており涙をのんだのだった。J.Bも当時67歳、休憩もなければしんどいでしょう。それでも3時間近く演奏してくれた。今回もきっとそうなるだろうと前もってオリックス劇場にほど近い居酒屋(仁左衛門)に立ち寄った。ここは季節によって数種類の酒を選んで置いているようだ。1杯目は「作」、2杯目は「播州一献」を注文。こちらの酒器はちょっと変わっており、皿の上に片口と猪口が載っており、片口からこぼれた酒が猪口をギリギリまで満たすように注いでくれる。なんだか猪口一杯分得をした気分ではないか。なかなかよろしい。コンサート前とあって客が一時に入店したので、お母さんがてんやわんやの状態。アテは突き出しとどて焼きだけにして手をかけないようにした。

 

 さて19:00からのJ.Bのコンサートです。場所はオリックス劇場。2年半前もそうだったのですが、途中、会場からリクエストがかかりそれにJ.Bが応えてくれるというもの。もちろん最初から予定していた曲がほとんどだったろうけれど、大阪のお客さんのリクエストは矢継ぎ早で遠慮がない。途中で「one for you」「one for me」とJ.Bが言うほど。それでも「one for me」僕の番だからといっても大阪の客はくじけませんね~(笑)

 演奏してくれた曲はアンコールも含め以下の26曲。

 

<第一部>
1. ”The Birds of St.Marks”  ザ・バーズ・オブ・セント・マークス(最新作『スタンディング・イン・ザ・ブリーチ』収録)
2.”Some Bridges” サム・ブリッジズ(1996『ルッキング・イースト』収録)
3.”You Love The Thunder”  ユー・ラヴ・ザ・サンダー(1977『孤独なランナー』収録)
4.”The Long Way Around”  ザ・ロング・ウェイ・アラウンド(最新作『スタンディング・イン・ザ・ブリーチ』収録)
5.”Love Needs A Heart” ラヴ・ニーズ・ア・ハート(1977『孤独なランナー』収録)
6.”Looking East”  ルッキング・イースト(1996『ルッキング・イースト』収録)
7.”Late For The Sky” レイト・フォー・ザ・スカイ(1974『レイト・フォー・ザ・スカイ』収録)
8.”Here Come Those Tears Again” あふれでる涙(1976『プリテンダー』収録)
9.”Never Stop”  ネヴァー・ストップ(2002年『ネイキッド・ライド・ホーム』収録)
10.”These Days”  青春の日々(1973『フォー・エヴリマン』収録)
11.”Before The Deluge”  ビフォー・ザ・デリュージ(1974『レイト・フォー・ザ・スカイ』収録)

<第二部>
12.”Something Fine” サムシング・ファイン(1972『ジャクソン・ブラウン・ファースト』収録)
13.”Naked Ride Home” ネイキッド・ライド・ホーム(2002年『ネイキッド・ライド・ホーム』収録)
14.”I'm Alive”  アイム・アライヴ(1993『アイム・アライヴ』収録)
15.”Linda Paloma”  リンダ・パロマ(1976『プリテンダー』収録)
16.”Somebody's Baby” 誰かが彼女を見つめてる(1982シングル&『ヴェリー・ベスト・オブ・ジャクソン・ブラウン』『ソロ・アコースティック第二集』収録)
17.”Doctor My Eyes”  ドクター・マイ・アイズ(1972『ジャクソン・ブラウン・ファースト』収録)
18.”Boulevard”  ブールヴァード(1980『ホールド・アウト』収録)
19.”That Girl Could Sing”  ザット・ガール・クッド・シン(1980『ホールド・アウト』収録)
20.”In The Shape Of A Heart”  シェイプ・オブ・ア・ハート(1986『ライヴズ・イン・ザ・バランス』収録)
21.”Pretender”  プリテンダー(1976『プリテンダー』収録)
22.”Running on Empty”  孤独なランナー(1977『孤独なランナー』収録)

<アンコール>
23.”Take It Easy”  テイク・イット・イージー(1973『フォー・エヴリマン』収録)
24.”Our Lady of the Well” 泉の聖母(1973『フォー・エヴリマン』収録)
25.”The Load-out/Stay”  ザ・ロード・アウト/ステイ(1977『孤独なランナー』収録)

 

 2曲目から3曲目に行こうかというところで会場から”You Love The Thunder” とリクエストがかかり、J.Bが ”Really?” と応じる。「じゃあ、それやろうか」って感じで舞台袖から別のギターを持ってこさせて急遽曲目変更。このあたりLIVE を観てるって感じで嬉しい。

 6曲目 ”Looking East” を終えたところでJ.Bがぼそっと「マイド」と言った。たぶんそうだと思う。一瞬なんだかわからず「ん?」って感じだったが、おそらくここからもっと会場とのリレーションを高めていくつもりだったのかな。 7曲目”Late For The Sky”、8曲目”Here Come Those Tears Again” 9曲目”Never Stop” 10曲目”These Days” 11曲目”Before The Deluge” あたりはリクエストのあった曲からJ.Bが気分でチョイスしてメンバーに伝えて演奏した感じでしたね。

 11曲目 ”Before The Deluge” が終わったところで休憩。 

 

 後半スタート12曲目は ”Something Fine” 1972年、彼のファースト・アルバムからのチョイスだ。’70年代からのファンである私なんぞには涙が出そうな曲です。13曲目 ”Naked Ride Home” 14曲目 ”I'm Alive”  とやったあと、ここからまたまたリクエストが飛び交う。ここでのチョイスは意外や意外、”Linda Paloma” でした。この曲で'70年代、'80年代をJ.Bの曲とともに過ごしてきた聴衆のボルテージが上がる。曲が終わった後、すかさず当時の曲のリクエストが飛び交う。誰かが ”Somebody's Baby” と大声でリクエストする。発音が日本風だったのでJ.Bが何度か聞き直す。3回目ぐらいで理解できたらしく、「あぁ、じゃあそれやろう」って感じで演奏が始まる。この曲は私にとっても思い出のある曲で、おもわず「おぉ~~!」と声を上げてしまった。それからは ”Doctor My Eyes”    ”Boulevard”    ”That Girl Could Sing”    ”In The Shape Of A Heart” ”Pretender” ”Running on Empty”  と '70年代、'80年代のJ.Bを原体験として青春期を過ごした人間には感涙の曲が続き、一気にフィナーレ。場内総立ち、鳥肌が立ちつほどの怒濤の終盤でした。

 アンコールに応えて  ”Take It Easy” ”Our Lady of the Well” と歌ってくれた。かなり時間も押しており、これまでかと思っていたら、案の定ここでバンドメンバーが次々とはけていく。やっぱり・・とあきらめかけたがJ.Bははけずに残っている。これには場内割れんばかりの大歓声。興奮に包まれた中、心を落ち着かせるようにJ.Bがおもむろにピアノに座り、弾き出す。お馴染みのイントロが流れる。”The Load-out/Stay” をやってくれた。これを生で聴きたかったのよ。最初はJ.Bのピアノ弾き語り演奏だったが、いつしかグレッグにピンスポがあたりスライドソロ。そこでバンドのメンバーが次々とステージに戻ってくるシルエット浮かびあがる。全員が揃ったところでステージ全体に照明が点き一気にバンド演奏へとなだれ込む。メドレーが ”Stay" に移ると、J.Bが ”Come On Come on Come On”と手招きしながらコールし始める。それに応えて大阪の客はノリノリで手を突き上げ “Stay !” と大声を返す。
  観客 : Stay !
  バンド: Um・・・

  J.B  :   Come On Come on Come On !

この繰り返しに、J.B、バンド、会場が一体感につつまれる。このメドレーを歌い始めた頃には時計は22:00を回っていたと思います。歌いきるのに10分近くかかるので時間的にこの終わり方は難しい展開でしたが、大阪の熱気にJ.Bもやるっきゃないと思っちゃったんでしょう。素晴らしい日に聴衆としてその場に立ち会った幸運に感謝します。

 

 今回のツアーの映像ではありませんけれど、こんな感じで・・・

 

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