佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『本日は、お日柄もよく』(原田マハ・著/徳間文庫)

『本日は、お日柄もよく』(原田マハ・著/徳間文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 20万部突破の、目頭が熱くなるお仕事小説。

 

 

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

 

 

 このところ『総理の夫』、『太陽の棘』と読んできた流れで本書を読んだ。実はもう一つ本書を手に取った訳がある。一週間後、部下の結婚披露宴で祝辞を頼まれているのだ。披露宴の一番最初の祝辞だけにいいかげんなことは出来ない。よいスピーチをするためのヒントのひとつでも見つけられないかという差し迫った事情があるのだ。

 さて、読んだ感想だが、エンターテインメントとして面白い。しかし深みがなく、少々薄っぺらな印象は否めない。薄っぺらなのは正雪だけでなく主人公・二ノ宮こと葉がスピーチライターとして参画した民衆党の政策の中身でもある。このあたり、先日読んだ『総理の夫』の感想とも共通するのだが、原田マハ氏の政治に対する立ち位置に起因するところだろう。政策に関しては全く賛同できない。残念な小説だ。