佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理・著/文春文庫) Kindle版

『名もなき日々を 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理・著/文春文庫) Kindle版を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

伊三次の息子、伊与太は有名な絵師のもとに弟子入りが叶い、ますます修業に力が入る。一方、伊与太が秘かに想う幼馴染みの茜は、奉公先の松前藩の若君に好意を持たれており……。登場人物の運命が大きく展開する、人気シリーズ12巻。

 

 

 

 髪結い伊三次シリーズも12巻目。タイ旅行の移動中の読み物としてチョイス。異国にあって読む時代ものもなかなかの味わいです。さて今巻では絵師として修行中の伊与太と松前藩に奉公にあがっている茜、二人の若者の様子を中心に描かれている。読んでいて力が入るのはなんといっても茜です。母・いなみと娘・茜は本シリーズの登場人物の中でも出色。私の好みのど真ん中を直球で攻めてきます。私としてはバットを振るのも忘れその潔い球を感嘆しつつ見送るといった心持ちです。次巻『昨日のまこと、今日のうそ』では若い二人の物語もいよいよ佳境に入ると思われる。楽しみだ。早速、読もう。