佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

古川の町並みと三嶋和ろうそく店見学、八ツ三館の昼食_”YUI PRIMA”で行く『加賀北陸から信州へ ”味を極めた三軒の宿”に泊まる』旅(3日目)

YUI PRIMA”で行く『加賀北陸から信州へ ”味を極めた三軒の宿”に泊まる』旅の3日目は飛驒古川に行きました。

 この旅は日本古来の伝統を守り、そして受け継いできた職人の手業を間近に見る旅でもある。

 前泊の宿「リバーリトリート雅樂倶」を9:30に出発した我々は、飛驒古川を目指し越中東海道を南下。バスの車窓から見える景色が見事だ。通常の観光バスに比べて”YUI PRIMA”は窓が広く、カーテンが上下式のロールスクリーンなので視界抜群。ゆったりシートに座ってバスクルーズを楽しむと移動時間も極上のエンターテイメントだ。おまけにビール、シャンパン、コーヒーなどソフトドリンクも所望すればアテンダントが持ってきてくれる。私は小さな声で「シャンパンを気持ち多めで・・・ (^^ゞ)」とお願いしたら、たっぷりの気持ちを持ってきてくれた。

 

 飛騨古川では、まず三嶋和ろうそく店(手作りの和ろうそく)を目指した。NHK朝の連続ドラマ小説「さくら」で主人公さくらが下宿したところで、飛騨古川の美しい町並みを残す壱之町通りにある。現在のご当主は7代目。歴史の積み重ねが醸し出す店構えは、二軒の酒蔵「渡辺酒造店」(蓬莱)、「蒲酒造場」(白真弓)とともに、通りの中でも一際目を引く存在です。ここで作られている和ろうそくは混じりけのない100%植物性の本物。ご当主の説明を聴きながら伝統の手仕事を実演で見学しました。

 7代目ご当主によると、和ろうそくと洋ローソクの違いは次のようなもの。①原材料が和ろうそくは櫨の実や木蝋など植物性の蝋を使うのに対し、洋ローソクは石油から採れるパラフィンだそうで、それゆえ和ろうそくは煤が出ず、洋ローソクは煤が出る。②和ろうそくの芯はい草の髄を使うのに対し、洋ローソクのそれは糸である。その違いによって和ろうそくの炎は大きく風にも消えにくいが、洋ローソクの炎は小さく風が吹くとすぐに消える。また、「和ろうそくの灯りは、風もないのに突然揺らぐことがあります。これを地元のお年寄りは神様が喜んでみえると言うんですよ」と教えて下さった。うーん、知らなかった。勉強になりました。

 

 

 三嶋和ろうそく店でろうそく作りの実演を見学し、ろうそくを買い求めた後、昼食までのしばしの時間、瀬戸川と白壁土蔵街を散策した。

 美しい町並みの情緒を楽しんだところで、当然、渡辺酒造店におじゃまして酒を試飲した。やはり「蓬莱」は美味かった。ただで帰るわけに行かないのでお土産に一升買い求めました。そうです私は酒飲みである前に紳士なのです。試飲できるお酒全種の味見を終え、ふと時計を見ると昼食場所へ行く時間になっていた。

 昼食場所は「八ツ三館」、荒城川のほとりにあります。到着を若女将が待って下さってました。こちらでは飛騨の山の幸をいただきます。 

 食事が始まると大女将がご挨拶下さり、続いて旦那様が館の歴史と古川にちなんだ歌を歌って下さいました。「八ツ三館」の名前の由来は、初代三五郎が江戸の末期、越中八尾からこの地に来て旅館を始めたことから、出身地で・八尾の「八」と名前の「三」をとって八ツ三(やつさん)としたとのこと。 また5代目のころには製糸業が盛んで、多くの女工がここから野麦峠を超え、信州に出稼ぎに行ったという話は旦那様の弁。

 

 今日は食事だけでしたが、せっかくの機会なので館内とお部屋を見させて頂きました。明治時代の風情が感じられ、露天風呂があったり、ライブラリーがあったり、部屋も様々なタイプがあります。何度でも訪れていろいろな部屋に泊まるのも一興でしょう。

 帰り際も、我々の姿が見えなくなるまで玄関で大女将と若女将が手を振ってお見送り下さいました。感謝!