佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

はたしてトビウオの数え方は?

 昨夜、奈半利町から魚が届きました。

 今日は朝から厨房男子です。

 鰹(大ぶり1本)、鯛(天然と思われる。1枚)、メジナ(1枚)、トビウオ(2羽)。

 ここで疑問である。トビウオは魚であって鳥ではない。一羽、二羽と数えて良いのか? 「匹」とか「尾」と数えておいた方が無難な気がする。しかし私は敢えて「羽」と数えたい。なにせ当たり前に100mほどは飛ぶのだ。鶏などえらそうに鳥づらしているがせいぜい1~3mしか飛べないのだ。その点トビウオはえらいのだ、すごいのだ。故に「羽」と数えるのだ。それでいいのだ。

 鯛を天然と判定した理由は二つ。まず尾びれである。美しい三角エッジがきいたかたちだ。養殖物だと丸まっておりこうはいかないだろう。もう一つは鼻の穴。片方に二ツ穴が空いており、両方で四つ。これは天然物の特徴だ。養殖物では鼻の穴がつながっており、片方一つにつながって両方で二ツ穴であると聞く。私は魚屋でも漁師でもないので真偽のほどは定かではないが、おそらく天然物なのだ。よしんば養殖物であったとしても、天然物と信じて食べる方が幸せなのだ。それでいいのだ。

 まずは鰹のさばきにかかった。男節、女節、各二本ずつに仕上がった。今日の昼は鰹の刺身といこう。片身(男節、女節)を刺身に引いて、残りは漬けにして保存した。

 

 

『乙嫁語り <9>』(森薫・著/BEAM COMIX)

乙嫁語り <9>』(森薫・著/BEAM COMIX)を読みました。

まずは出版社の紹介文を引きます。

 アミルの友人パリヤの恋模様を描く、好評コミカル第5シーズン! 布支度は進まないし、友達も少なく、自分の気持ちは上手に伝えられない。八方ふさがりのパリヤだが、お遣いの案内役をウマルが申し出たことにより物語は一気に急展開する!

 

 

 

 待ちに待った第9巻。といいながら、発売は昨年12月のこと。なんと3ヶ月以上も新刊発売を見逃していた。どうしたことだ。

 今巻も不器用で自意識過剰なパリヤの話。純情すぎて、そして思いが強すぎて自分の気持ちを他人にうまく伝えられないパリヤがいじらしい。今時の日本にはこんな女子は少ない。しかしそんなパリヤだからこそ恋というものの本質を見せてくれる。初々しい恋はかわいくもあり、いじらしくもある。そして美しい。

 

『ビブリア古書堂の事件手帖〈7〉 ~栞子さんと果てない舞台~』(三上延・著/メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖〈7〉 ~栞子さんと果てない舞台~』(三上延・著/メディアワークス文庫)を読みました。

 まずは出版社の紹介文を引きます。

 ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく――。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった……。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。

 

 

 

 いよいよシリーズ完結編。これまで栞子の母がとった数々の不審行動の謎が明かされ、栞子と大輔が周りからも認められるかたちで結ばれる運びとなりめでたしめでたしとなりました。思い起こせば6年前、シリーズ第一巻『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』を読んだ時から私は栞子に恋をしていた。若くてきれいな古本屋の店主。古書に関する知識がずば抜けているだけでなく、自身も折り紙付きの読書家であり、閑さえあれば本を読んでいる。極端な人見知りで、初対面の人間とは口もきけない程だが、それが本のこととなるとうって変わって強い女性に変身するというのだから本好きの男なら一目惚れである。早く結末を知りたい気持ちと、いつまでも続いて欲しい気持ちがせめぎ合い、完結編を読む悦びにうち震えながらも、読み終えてしまう喪失感におびえるというわけの解らない心もちであった。しかし作者のあとがきによると、これからも番外編やスピンオフのかたちで『ビブリア』は続くとのこと。番外編とスピンオフはどう違うのだ、そんなケジメのないことでいいのかっと作者に鋭いツッコミを入れながらも思わずニンマリしてしまったのであった。チャンチャン!