佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

壱岐島サイクリング(壱岐島クルーズ2日目) 鬼の足跡 猿岩 海里村上の赤ウニ丼など

2019/08/21

 朝9時頃、壱岐島に上陸。輪行袋からロードバイクを出し組み立てる。未だ朝なのに気温湿度とも高く強烈に蒸し暑い。

 この日走ったコースは下の地図のとおり。事前に立てていた計画では島の西岸を観た後、東岸まで島を縦断し、島の3分の2ほどを一周する予定であったが、昼頃まで走ってみて無理はしない方が良いと判断した。強烈な日差しは島の景色を引き立ててくれたが、体力をどんどん奪っていく。高低差こそたいしたことは無いが、島特有のアップダウンがある。アスファルトの道路からの照り返しもきつく、無理をすると熱中症になりかねない。400人を超えるにっぽん丸の乗員乗客の夕食時の話題にのぼるのはまっぴらごめんである。それでも「鬼の足跡」「猿岩」など島西岸のランドマーク的なところは見て回り、昼食は海里村上で「赤ウニ丼」を食べることができた。赤ウニはちょうど今が漁の時季だそうで大変おいしかった。やはり穫れたてで何も混ぜていないものは味がちがう。ウニ本来の味はこのようなものなのだと判り感動した。

 郷ノ浦港に戻る手前で宮の通りにある「塞神社」に立ち寄った。すごいパワースポットであった。なにがすごいか。写真を見ればわかる。

 

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鬼の足跡

微笑むゴリラ岩

御津ノ辻休憩所

郷ノ浦町里触

黒崎砲台跡

猿岩

猿岩物産館「おさるのかごや」で食べた「あいすまんじゅう」(丸永製菓)がめっぽううまい。

湯ノ本温泉の「海里村上」というしゃれた宿で「赤ウニ丼」のランチ

塞神社

船に帰ってきた。本日の走行距離41.3㎞。

 

壱岐島クルーズ2日目 パンケーキの朝食を愉しんでいるうちに島に着く

2019/08/21

 壱岐島クルーズも2日目。船室で目覚めると海は凪いでおり天気も良さそう。だた、夜の間には雨も降ったようでベランダのテーブルは濡れていた。よくあることだ。この間、信州を旅行したときもそうだった。蓼科の宿に宿泊したとき、台風接近で夜中の間、かなりの風雨があったようだが、目覚めたときには晴れていた。どうやら私は神様に祝福されている。

 7:00ごろ朝食をとりにレストランへ行く。今日はパンケーキとオムレツの軽い朝食だとのこと。和食あるいは洋食バイキングが好みであれば別の場所があるという。私はオムレツが好物。それもプロの焼くオムレツなら文句はない。窓際の席にしてもらった。食事をしている間に壱岐島に到着した。円い窓の向こうに島が見えた。

 上陸前に歓迎セレモニーが催された。副市長がご挨拶くださり、島の女性による踊りが披露された。

 

壱岐島クルーズ1日目

2019/08/20

 本日より壱岐島に向かってクルーズ。にっぽん丸を借り上げた姫路港発のクルーズに参加するのである。にっぽん丸にはもう何度も乗っているが、こうしてみるとやはりでかい。乗客は370人ほどらしい。ツアー会社の添乗員や船の乗員を含めるとかなりの数が移動することになる。

 雨は上がっていたが出発時点の天気は優れない。しかし出航し西へ進むとともに天気はどんどん良くなっていく。そうなのだ。私は晴れ男。旅行中の雨にはほぼほぼ無縁の男なのだ。

 いつもベランダ付きの部屋を予約する。船内のショーやアトラクションも楽しいが、私はベランダに設えられた椅子に腰掛け、酒を飲みながら本を読む。本から目を上げると碧い海原に浮かんでいるような瀬戸内の島々。これこそクルーズの醍醐味なのだ。家の本棚から選んできたのは『朝日ビジュアルシリーズ_週刊・司馬遼太郎街道をゆく』(Vol.17壱岐対馬の道)、『風のかなたのひみつ島』(椎名誠・著/垂見健吾・写真_新潮文庫)、『貝がらと海の音』(庄野潤三・著_新潮文庫)の三冊。船内に図書室もあるが、私は普段から本を持ち歩くのだ。そうしなければどうも落ち着かない。旅に出る朝、本棚の未読本エリアをひととおり見渡し、持っていくものを選ぶのはワクワクする作業でもある。酒は部屋の冷蔵庫でよく冷えているビールと焼酎。焼酎は鹿児島は大海酒造の本格焼酎「にっぽん丸」。当然、芋焼酎である。

 船はどんどん西へ進む。時間とともに青空が見え始める。今回のクルーズも天気に恵まれた。私はクルーズに限らず、サイクリングでも不思議と天気に恵まれる。旅行に出る3日前ぐらいまでは悪天候が予測されていても、旅行当日には天気予報が変わってそこそこ良い天気になったなんていう経験は山ほどある。3年前にこのにっぽん丸で種子島にクルーズしたときなど、北上して島に向かっていた台風が、我々が姫路港を出発するころにはUターンして南下しはじめたのである。そして我々が種子島を一日観光して回る間は雨は降らず、種子島を出港する頃に台風がふたたび北上しはじめ雨が降り始めた。この経験は私に晴れ男としての強固な自信をもたらした。

 と言うわけで、瀬戸大橋をくぐる景色も素晴らしいものとなった。

 にっぽん丸でスルーズする楽しみの一つは食事である。これはかなりポイントが高い。

 まずは酒を選ぶ。オススメに従ってまずは「まんさくの花 愛山」、続いて「ゆきの美人 夏吟醸」と飲み進め、食事終了間際には近くのテーブルの知人から「王祿」を差し入れてもらった。うーんうまい!

「小エビとフォアグラのラビオリ仕立て」

 すばらしい味。ちょこんと載ったイタリアンパセリのアクセントも楽しい。

徳島県産鱧の落としと焼き茄子のサラダ仕立て ソースじゃポネーゼ」

 今の時期はやっぱり鱧。付け合わせの野菜の種類の多さにびっくり。ミニミックスリーフ、イエロー人参、コーンスプラウトデトロイトエディブルフラワー、青芯大根、紅しぐれ大根、レッドダンデリオン、マイクロトマト、ピリカラミズナ、アマランサス、ピーテンドリル。抜けてないか?

コンソメジュレとトウモロコシの冷たいスープ」

 トウモロコシもまさに旬。文句なしにうまい。小口切りにしたシブレットがアクセント。

「鱸の香草焼きとホタテ貝柱のポワレ ほうれん草とトマトのソースで」

 香ばしく焼かれた鱸がうまい。二色のソースの色鮮やかさも見事。鱸の下にクスクスが敷かれていた。リーク(西洋ネギ)のフライとチャーピルが香りのアクセント。

パッションフルーツのグラニテ」 口直し。

「鹿児島県産黒毛和牛フィレ肉の網焼き 本山葵添え 杉樽醤油ソース」

これはうまい。文句なしにうまい肉です。感動的にうまい。付け合わせの野菜はロマネスコ、エリンギ、ヤングコーン、人参、クレソン。

「サラダ南京とグラパラリーフのサラダ フルーツビネガードレッシング」

 サラダ南京もグラパラリーフも食感が楽しい。グラパラリーフなるものをはじめて食べたが、サボテンみたいな印象。といってもサボテンを食べたことはないが。サクッとジューシーな味わい。他にもラディッシュ、ベビーリーフ、渦巻きビーツが入っている。ドレッシングが柔らかい酸味で穏やかなおいしさ。

「ローストビーフ

 メニューにはないが、にっぽん丸の洋食ディナーでは必ず振る舞われる名物。けっこう厚く切ってあるので一枚だとボリュームがありすぎるぐらい。量的には半分でちょうど良い。しかし「一枚」といってしまうんだなぁ。これをいただくのがにっぽん丸乗船の愉しみ。

デザート「薔薇の香りのチーズムース ナッツアイスクリーム添え 赤肉メロン 巨峰」

ちなみにつれ合いのデザートは「ピーチムースと栗のアイスクリーム ワッフルを添えて 温かいカシスのソースで」

 また肥ってしまった。

 

「3」のサンドイッチとビールをやりながらヴィッセル神戸応援

2019/08/17

 今日はヴィッセル神戸がホームに浦和レッズを迎えるということで、つれ合いと娘夫婦といっしょにノエビアスタジアムに行った。

 スタジアムに行く前に夕食というかビールのアテを仕入れ。中央区山本通にあるサンドイッチの店「3」に行った。「3」は”トロワ”と読む。店のカウンターに吉田篤弘氏の文庫本『それからはスープのことばかり考えて暮らした』が置いてある。そういえば主人公が通ったサンドイッチの店の名は<トロワ>であった。ささやかであたたかくそこはかとない幸せな世界が描かれた本で、私も大好きな小説です。 

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

 

 

 試合は 神戸3ー0浦和 と神戸ファンには大満足の内容。やはりイニエスタはファールでしか止められない。


【公式】ハイライト:ヴィッセル神戸vs浦和レッズ 明治安田生命J1リーグ 第23節 2019/8/17

厨房男子のチャーハン道

本日の厨房男子。

今読んでいる『男のチャーハン道』(土屋敦・著/日経プレミアシリーズ)に触発されてチャーハンを作りました。

まずは『美味しんぼ山岡士郎の「強力な火力を御しきって、炎の主人にならなければならない」との呪縛から逃れるべく、家庭用コンロと普段使いのフライパンで調理。私には私の作り方があるのだ。麻婆茄子と椎茸とオクラの味噌汁も作りました。うまい。

YouTubeで落語 Vol.58『かんしゃく』

『新版 落語手帖』(矢野誠一・著/講談社)に紹介された274席のうちの58席目は『かんしゃく』。10代目柳家小三治で聴きます。

 

新版・落語手帖

新版・落語手帖

 

 


10代目柳家小三冶『かんしゃく』-rakugo-

 

 いまどき三従の教え「いまだ嫁せずして父に従い,すでに嫁して夫に従い,夫死して子に従う」などといえば、なんと封建的で旧弊非常識な考えをと叱責されること必定ですが、このお話は女性の心がけで家が治まるというもの。明治の終わりから大正のはじめごろを舞台にしています。まだ自動車が大変珍しかったころの大実業家が主人公。三井財閥の一族で実業家・劇作家の益田太郎冠者が初代三遊亭圓左のために書き下ろした作品だそうです。古典と言うには些か抵抗がある時代背景ですが、かといって新作といっては全く違和感がある。もはやこれは古典の域に入ったものといって良いでしょう。

 大変良くできた噺です。旦那のあまりのかんしゃくぶりにとうとう実家に帰ってきた娘を諭す父親の心情を考えると涙がでそうになります。かわいい娘が嫁ぎ先で苦労をしている。それをかわいそうだと思わない父ではない。しかしここが辛抱のしどころだと思って自分の心の奥に「かわいそうに」という言葉を封じ込めます。そして娘を諭す父親に向かって少しだけ娘の肩を持つ母の心遣いも見事です。母親とてけっして浅はかに口を挟んだわけではないでしょう。少しは娘の言い分もわかってやらねば娘の一分が立たないという配慮であったでしょう。口を挟んだ母親に対して父親は「おまえは黙ってなさい」と叱りつける場面。今度は父と母の仲を気遣う娘の様子がうかがい知れます。そのあたりもなんとも味わい深い。しかし父と母はそれぐらいのことは何でもない。そんなことで二人の信頼関係は揺るがない、心配しなくてイイよと娘に伝え、付き添いをつけてやるからすぐに帰りなさいという父親の心情。これが泣けずにいられますか。

 再び婚家に戻った娘は父のアドバイスどおり使用人をうまく使って完璧に家の中を治めます。かんしゃく持ちで怒鳴り散らしていた主はいつものようにまわりを叱責しようとしますが文句の付けようがない。「これでは俺が怒ることができんではないか!」と怒るというオチ。滑稽噺に仕上がっていますが味わえば味わうほど泣けてくる噺。そして二人合わさって完全となる夫婦の形、それを為すのは実は女性の力なのだということを見事に描ききった作品です。益田太郎冠者という人の脚本家としての力のほどがうかがえます。

 

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