佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『シンデレラマン』(Cinderella Man)

あなたが誇らしいわ

心から誇らしく思う・・・・

   君の支えなしには勝てない。

 

かつて“シンデレラマン”と呼ばれた男がいた・・・
時は1929年に始まった大恐慌時代。多くの人が希望を失った時代に、一度はどん底に落ちたボクサーが、唯一度のチャンスを掴み復活する。愛する家族を守るために戦う。それだけが、妻と3人の子供たちと暮らしていくための唯一の手段だった…。ボクサーの名はジム・ブラドック。彼の姿は絶望のふちに立つ多くの人々にとって“希望”だった。

 

DVD『シンデレラマン』を観ました。2005年のアメリカ映画。主演はラッセル・クロウレネー・ゼルウィガー。どちらも私の大好きな俳優です。

 

物語の中で主人公ブラドックは孤高の男として描かれている。港湾労働者として働いているとき、同僚がセントラルパークのフーバー村(仕事と住むところを失った人々が集まってできた掘っ立て小屋の住み家)の労働者で労働組合を作ろうと持ちかけるが、ブラドックは相手にせず次のように言う。「闘う原因は? 不運、欲、貧しさ?」つまり、彼はどんな不運な状況にあっても他人や世の中のせいにせず、あくまで自分でなんとかしようとする人間だ。そんな彼も、仕事が無く、電気を停められ、飢えて子供を養えなくなるにいたってついに"連邦緊急救済局"で生活保護資金をもらう。昔、試合をした"マディソン・スクエア・ガーデン"にも出かけ、昔の知り合い達(お金持ち)に帽子を脱いで慈悲を請う。

  「困っているんです。光熱費が払えず、子供達をよそへ・・。

   荷役の仕事も減り、毎日は働けない。売れるものは全て売りました。

   緊急救済局にも行きました。支給額は19ドル。

   あと18ドル38で光熱費を払い、子供を連れ戻せます。

   他に頼れる所があれば、ここへは・・・来ません。

   援助いただければうれしいのですが・・・」

かつてボクサーとしてスターだった誇り高き男が、かつての自分を知っている面々に対して慈悲を請う。ブラドックにとっては死んだ方がましなくらいの屈辱に違いない。しかし、ブラドックはかつて息子に約束をしたのだ、「けっしてよそへはやらない」と。

もう、涙ぼろぼろです。

 

クライマックス世界ヘビー級王者決定戦の前に、妻メイが夫ジムにいう言葉にも泣かされます。

    わかった気がするの 闘うことの意味が
    自分が何者か忘れないで
    バーゲン郡ブルドッグ
    ニュージャージー州の誇り
    人々の希望の星
    子供たちのヒーローよ
    そして あなたは
    私の心のチャンピオンよ "ジェームス・J・ブラドック"

 

 

私は涙もろい。
今日はたくさん泣いた。
しかし、私が今日流した涙は、私が涙もろいからだけではない。