佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

Story Seller

『Story Seller』を読みました。

豪華な書き手そろい踏みの短編集。いや、中編集か。674ページ、全くだれることなく読ませる面白話。

作品は以下の7編。

 

伊坂幸太郎「首折り男の周辺」
近藤史恵プロトンの中の孤独」
有川浩「ストーリー・セラー」
米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」
佐藤友哉「333のテッペン」
道尾秀介「光の箱」
本多孝好「ここじゃない場所」

 

 


裏表紙の紹介文を引きます。


これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。



読みたかったのは「プロトンの中の孤独」(近藤史恵)。やはりイイ。ロードレースものとして『サクリファイス』のサイド・ストーリー的な物語だ。男たちを惹きつけてやまないロードレースという競技の本質を見事に描いている。伊坂幸太郎氏「首折り男の周辺」、有川浩氏「ストーリー・セラー」はそれぞれ持ち味を存分に発揮している。道尾秀介氏「光の箱」はとても素敵な物語に仕上げているものの、道尾氏の世界に私は違和感を持つ。逆に米澤穂信氏「玉野五十鈴の誉れ」、佐藤友哉氏「333のテッペン」、本多孝好氏「ここじゃない場所」はそれぞれ独特の世界観と作風に唸った。三氏の小説を読むのはこれが初めてだが、他の作品も読んでみたい。