佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

1月の読書メーター

1月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2865ページ
ナイス数:1620ナイス

 

 

 1月はなにかと慌ただしく、じっくり文学書などを読む気分に非ず。いきおい酒、美味しいものなど快楽ものか、楽に読める短篇あるいは漫画に傾倒した感あり。それもまた良いではないかと思う。あずまきよひこ氏の漫画のクオリティーの高さにあらためて驚かされた。杉浦日向子さんとソ連が編集された『ソバ屋で憩う』を古本屋で見つけたのは運命かもしれない。今後、私はあちこちのソバ屋で憩うことになるだろう。憩うと云うことは酒を飲むことである。五十年あまり生きてきて、そろそろそのような贅沢を始めても良い頃だろうとも思う。ひょっとしたら、自分で蕎麦を打ち始めるかもしれない。それもまた良いだろう。面白きことは良きことなり。


作家の酒 (コロナ・ブックス)作家の酒 (コロナ・ブックス)
文士の飲み方、そこにはそれぞれの個性がある。酒豪といわれた方々だけに、毎日が酒、それも大酒だけにその人の心根の奥底が見える。多士済々、皆さん魅力に溢れていらっしゃる。「一日三升飲んでも決して乱れず」立原正秋先生、私は今年の元旦にあたり、先生に少しでも近づきたいと願をかけました。先生ほどたくさんは飲めないけれど、「飲めども乱れず」を心がけます。しかし、高田喜佐さんが嘆いていらっしゃるように、「軽く、ほどほどに、格好良く」といった今時の若い男の飲み方は致しません。「とことん、しっかり、堂々と」、これです。
読了日:01月02日 著者:

 


夜明けのブランデー (文春文庫)夜明けのブランデー (文春文庫)
池波正太郎氏が60歳を超えて書かれたエッセイ。ご本人直筆の挿画も楽しめる。肩の力が抜けて洒脱な文章が心地よく読みやすい。食べ物や映画、酒、万年筆(オノト)、煙草など、日常にこだわりを持ちつつ力が抜けている様は、これから老年期を迎える者にとって、まさにお手本にすべき姿ではなかろうか。もちろん若い頃からの積み重ねがあってのことで、簡単に真似ることなどできないけれど。考えてみると、私は池波氏の小説を読まずエッセイばかり読んでいる。池波氏の粋な生き方に憧れるからだが、やはり小説も読まないとな。うん、読もう。
読了日:01月06日 著者:池波 正太郎

 


きみが見つける物語  十代のための新名作 切ない話編 (角川文庫)きみが見つける物語 十代のための新名作 切ない話編 (角川文庫)
タイトルに「十代のための」とあるが五十代が読んでなにが悪いと開き直りつつ読了。私の好きな作家、山本幸久氏、荻原浩氏、小川洋子氏の短篇が掲載されているとなれば読まない訳にはいかない。「切ない話」かどうかは人それぞれ「切ない」の定義によるだろう。切なくはないかもしれないが、味わいが深い。中でも山本幸久氏の「閣下のお出まし」、小川洋子氏の「キリコさんの失敗」、志賀直哉氏の「小僧の神様」が素晴らしかった。
読了日:01月12日 著者:角川文庫編集部

 


きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103)きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編 (角川文庫 あ 100-103)

「シャルロットだけはぼくのもの」ありきたりの日常がミステリというスパイスで素敵な一日に。「ローマ風の休日」再読だが物語の世界は決して色あせない。大好きな作品。「秋の牢獄」私はこれまで3回尿管結石を患っている。その日が11月7日でなくて良かった。「春のあなぼこ」小学校を卒業し、中学校に入学するまでの空白の二週間。自分の知らない世界へ飛び出したい気持と、知らない世界への畏れが良く現れた作品。「夏の出口」高校3年の夏、自分はこれから何者にもなり得る、が同時に今、何者にもなり得ていない自分に対するいらだちと不安。
読了日:01月15日 著者:角川文庫編集部

 


あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (1) (Dengeki comics EX)
表紙を見るかぎり一生、手に取ることはなかったであろうコミックだが、『よつばと!』の群を抜く素晴らしさに好奇心を抑えられず4巻まとめ買い。面白いではないか。画は好みとは言い難いが、読むうちにキャラクターに魅せられていく自分がいた。登場人物のちょっとした表情にもなにかしらの意味がある。四コマでリズム良く読み進むことができるが、その四コマの中に微妙なテンポのズレや漂う空気感が表されているあたり、なかなかのものです。というか、凄い。黒沢先生がゆかり先生ににぎられている恋愛系の弱みとはいったい何か? 後の楽しみだ。
読了日:01月15日 著者:あずま きよひこ

 


恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?恋なんて贅沢が私に落ちてくるのだろうか?
「ハナビ」に続いて二作目を読ませていただきました。前作に比べて数段上を行く出来だと思います。私には女心の機微は判りません。でも、主人公・青子の気持ち、痛みを少しは判ったと感じます。そう、なにやら胸のあたりが痛くなるような切ない気持です。容姿は十人並みかもしれない。女としてのセクシーさにはややもの足りないところがあるかもしれない。しかし、青子には真心があります。大人として生きていれば、まして三十歳手前にもなれば、いつまでも無垢なままではいられない。でも、青子さんはとってもキレイなところのある女(ひと)です。
読了日:01月16日 著者:中居 真麻

 


きみが見つける物語    十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)きみが見つける物語 十代のための新名作 恋愛編 (角川文庫)
「あおぞらフレーク」(梨屋アリエ)これぞ十代のための恋愛小説ですな。「しあわせは子猫のかたち」(乙一)切ないミステリ&ファンタジー。秀作。「黄泉の階段」(山田悠介)非常に印象に残る物語。ええぇっという驚きがふたつ。「植物図鑑」(有川浩)会社からの帰り、道端に男(それも結構いい男)が落ちていた。”お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか? 咬みません。躾のできたよい子です”だとぉ。面白すぎるやないの。これは全篇読まずにはいられない。「小さな故意の物語」(東野圭吾)面白いことは面白いのだが後味悪し。
読了日:01月20日 著者:角川文庫編集部

 

あずまんが大王 (2) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (2) (Dengeki comics EX)
第一巻で登場人物それぞれの持ち味をある程度把握できているだけに、可笑しさに深みが増す。よみと榊、それぞれの魅力を放っている。大阪ととものからみはボケ具合が絶妙。大阪のくしゃみ「へーちょ」はツボに嵌る。からみといえば、ゆかり先生とにゃも先生のコンビもイイ。今後、にゃも先生の恋愛ネタに期待が高まる。それにしても、五十代のオジサンの読むコミックではないなと思いつつ、読んでしまうのだなぁ、これが。ことわっておくが、私は木村のようなロリコンではない。しかし、木村の奥さんを見て、木村を羨ましいと思ったのも事実。
読了日:01月22日 著者:あずま きよひこ

 


あずまんが大王 (3) (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (3) (Dengeki comics EX)
ボンクラーズ結成。大阪+とも+神楽=愛すべきバカども、すなわちボンクラーズ。毛利三兄弟(三本の矢)も適わないほど強烈だな。大阪の怖い話「夜、部屋に一人っきりの時……、どこからともなく……、私のやないオナラのにおいがしてきたんや…」。こ、こ、これは怖い。ひえー。
読了日:01月22日 著者:あずま きよひこ

 


あずまんが大王 (4)  (Dengeki comics EX)あずまんが大王 (4) (Dengeki comics EX)
いよいよ高校卒業。大学受験。意外や意外、よみの合格が一番遅れた。ふぅー、やきもきしたぜ。榊にもなついたヤマピカリャーが。みんなが幸せに卒業できた。良かった良かったと言いながら、この話が終了してしまうことに一抹の寂しさをおぼえてしまう。かくなる上は「よつばと! 12」を心待ちにすることとしよう。では、さらばじゃ。皆、達者でな。
読了日:01月22日 著者:あずま きよひこ

 


薫風鯉幟―酔いどれ小藤次留書 (幻冬舎文庫)薫風鯉幟―酔いどれ小藤次留書 (幻冬舎文庫)
あれこれ悩み事が多い時に本を読むならばこれ、勧善懲悪ものがよろしい。悪党の所行によって、真っ当に生きている者が窮地に立たされた時、めったやたらと強いヒーローが登場してその悪党をこてんぱんにぶちのめしてくれる。胸がすきます。心が晴れます。スカッとします。そう、そのヒーローこそ赤目小籐次。一升酒などおちゃのこさいさい。忠義を尽くす主(あるじ)はただ一人。思いを寄せる女性(ひと)もただ一人。男の値打ちはやはり力です。強さです。そして同時に大切なものは弱い者への優しさです。それは真の強さの証でもあります。
読了日:01月26日 著者:佐伯 泰英

 


ソバ屋で憩う―悦楽の名店ガイド101 (新潮文庫)ソバ屋で憩う―悦楽の名店ガイド101 (新潮文庫)
「ソバ屋で憩う」なんと魅力的なタイトルではないか。蕎麦屋は街中のオアシスなのです。昼日中、仕事に忙しい人でごった返す時間帯を避けてのれんをくぐり、「お酒、冷やで一本ね」と声をかけて席につく。蕎麦屋では昼酒をいただいても眉をひそめる店員はいません。酒のアテは、そばがき、板わさ、味噌焼き、だし巻き卵……、通を気どって天ぬきや鴨ぬきを頼むのもよい。酒も贅沢は言わないが地酒の二、三種類もあれば申し分ない。そんなおとなの気持ちをくすぐる名店蕎麦屋を紹介し蕎麦屋でのくつろぎ方を教えてくれる本です。
読了日:01月30日 著者:杉浦 日向子,ソ連