佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

野分一過

『野分一過 ― 酔いどれ小籐次留書』(佐伯泰英・著/幻冬舎文庫)を読みました。

 

 

小説を読み切った翌朝、今日は何を読むかと本棚を眺めるのを常としている。『野分一過』は夏過ぎ台風シーズンに読もうと思っていたのだが、昨日4月3日は記録的な春の嵐。すぅっと手が伸びた。風速40mの突風と雨が吹き荒れる中、臨場感たっぷりに読みました。そんな臨場感要らないんですけど……。前巻『杜若艶姿』では想いを寄する人おりょう様と結ばれ、「眼千両」「杜若半四郎」と称せられる岩井半四郎率いる市村座の興業におりょう様をエスコートした小籐次。今巻、小籐次はあくまで分をわきまえた振る舞いながらも、おりょう様は積極的。小籐次よ、この、このっ、幸せ者め!

 

裏表紙の紹介文を引きます。


 

野分の到来を予見して、長屋の面々と芝神明社へ避難した小籐次は、そこで知り合った若い女の飼い猫探しに同道し、千枚通しで殺された彼女の旦那を発見する。物盗りの所業か。小籐次はそう見立てたが、野分一過の大川に同様の手口で殺された男の死体が揚がり、事態が急変。はたして、事件の裏には何が隠されているのか。大人気シリーズ、第十三弾。