佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

「論語」に帰ろう

私は世界をいろいろと航海してきたが、欧州においてさえ、日本人のように落ち着いた華麗さと威厳を持った国民に出会ったことがない。(『伝記 ペリー提督の日本開国』 サミュエル・エリオット・モリソン、座本勝之役、双葉社

 

『「論語」に帰ろう』(守屋淳・著/平凡社新書)を読みました。

 


 

 

 プロローグに書いてあるように、江戸時代において日本は権力者たる武士が貧乏であったという珍しい国だという。海外の学者にとって、それはとても不思議で希有な国なのだ。他の国では権力を握った者は搾取の限りを尽くすのがあたりまえ。日本人は金よりも義(利より人としての正しい道)を重んじた。その品格の由来が論語の影響なのだということか。翻って孔子を生んだ中国の情けないことよ。

 私はこれまで「あなたの宗教は何ですが?」と尋ねられたら「無宗教です」と応えていた。しかしこれからは「儒教です」と応えても良いかなと思い始めている。守屋氏が書いていらっしゃるように「儒教」が宗教であるかどうかには疑問が残る。すなわち古今東西すべての宗教に共通する特徴「自分が理不尽な目にあったとき、その理由を説明する理屈を持っている」という面が孔子の教えにはないということ。でも無宗教で通してきた私にはそこがしっくりくる。つまり孔子の教えには他の宗教に共通するウソやまやかしがないと感ずるのだ。「これを知るをこれを知ると為し、これを知らざるを知らずとせよ、是れ知るなり」 くぅ~しびれる~~~。