ウェルズの日記

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遊戯



藤原伊織氏の遺作『遊戯』(講談社文庫)を読みました。

遊戯 (講談社文庫)

遊戯 (講談社文庫)

裏表紙の紹介文を引きます。

「現実とネットの関係は、銃を撃つのに似ている」。ネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。初対面のその日、本間が打ち明けたのは、子どもの頃の忌まわしい記憶と父の遺した拳銃のことだった。二人を監視する自転車に乗った男。そして銃に残された種類の違う弾丸。急逝した著者が考えていた真相は。

本書には「遊戯」と題された連作短編と「オルゴール」という短編が収められている。

「遊戯」の目次は次のとおり。

1.遊戯
2.帰路
3.侵入
4.陽光
5.回流
この「遊戯」は藤原氏が闘病中に執筆を続けた作品である。「回流」時点でこの物語は終わっていない。藤原氏は2007年5月17日に亡くなってしまったため「遊戯」は永遠に未完のままである。読まなければよかった。藤原氏がこの物語にどのような結末を用意していたのか、気になって仕方がない。思えばこの本を手に取った時から読んで後悔することはわかっていたのだ。だって、未完の小説なんて、〆の河豚雑炊が無い「河豚のフルコース」のようなものだからね。もう、悔しいというか、渇望に身悶えしてしまう。自由に結末を想像してみるのだが、われわれ凡人には想像もつかないのだ。かくなる上は、どなたかに物語の続きを書いてもらうしかない。1989年にロバート.B.パーカーがレイモンド・チャンドラーの遺作「プードル・スプリングス物語」を完成させたように。どなたかお願いします。大沢在昌さん、石田衣良さん、志水辰夫さん、お願いします。