佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

騒乱前夜 ー 酔いどれ小藤次留書

そなたが孤軍奮闘、武門の意地を立てたのじゃ、来島水軍の体面を保ったのじゃ。

余が詫びの言葉を口に致せば、そなたの勳(いさお)しを汚すことになると思うた。

なにがあろうとそれだけは致すまいと心に誓うて、城中の詰めの間に赴いた。

『騒乱前夜 − 酔いどれ小藤次留書』(佐伯泰英・著/幻冬舎文庫)を読みました。

騒乱前夜―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)

騒乱前夜―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)

裏表紙の紹介文を引きます。

自ら考案した行灯作りを指南する水戸行を目前に、小籐次はならず者に絡まれていた久慈屋の女中・お花を助ける。だが、お花の語る騒動の理由は要領を得ず、やがてその裏には思いもよらぬ企ての潜むことが発覚する。風雲急を告げる水戸行。その帯同者には、なぜか探検家・間宮林蔵の姿もあった―。人気シリーズ、息をもつかせぬ展開の第六弾。

忠義を尽くす主(あるじ)はただ一人。思いを寄せる女性(ひと)もただ一人。酔いどれ小藤次留書シリーズ第六弾です。

損得で動かず、義を見て動く。受けた恩に報いるためには命も顧みない。

人情に厚く、優しき心を秘めつつも、剣は時に非情。

赤目小藤次は男でござる。