佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

ワイルド・サイドを歩け - 麗かな憂鬱・時の鐘よ鳴れ

本日の一献は『三芳菊 ワイルド・サイドを歩け 27BY 岡山雄町純米吟醸無濾過生原酒限定袋しぼり』でございます。

ラベルに「麗かな憂鬱・時の鐘よ鳴れ」の文字。

”麗かな憂鬱”とはどのようなものなのか。”麗か”というのは春の晴れた日の陽光をイメージさせる春の季語。一見”憂鬱”とはミスマッチなようですが、しかし春は確かに憂鬱と隣り合わせである。もちろん心浮き立つ春もあるが、憂鬱な春もあるのだ。なぜだか知らないがそうなのだ。はるき悦巳氏の名作『じゃりン子チエ』に登場する名脇役・アントニオJr.だって春には必ずおかしくなるのだ。さらに”時の鐘よ鳴れ”とはどう解釈すれば良いのか。時が醸すものが酒だとすれば、この驚きに満ちた酒は時の鐘を鳴らしているといえる。

完熟バナナのような豊かな甘みを感じさせる香り、キレイな甘み、その甘みをすっきり洗う酸。後味はけっこう硬派という酒です。衝撃です。酒造りを楽しんでいらっしゃる。そしてある意味、勝負していらっしゃるのではないでしょうか。このような酒をいただける幸せ、それこそが酒飲みの幸せです。

それにしても「ワイルド・サイドを歩け」の名はどのような思いで付けられたものなのか? 三芳菊酒造の5代目・馬宮亮一郎氏は”Lou Reed”のファンなのか? 「定石にとらわれず、冒険してやりたい仕込み方で自由に酒を造る」という意味なのだろうか?

酒蔵に行って訊いてみたいものです。今、一番見学してみたい蔵です。

 

 

Lou Reed - Walk On The Wild Side - Rare Video-HD


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