佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

『浅野日本酒店SANNOMIYA』で「仙禽」を飲み比べる

2023/06/29

 用事で神戸に行った夕刻、酒に渇きを覚え元町『浅野日本酒店SANNOMIYA』の暖簾をくぐった。

 何を飲もうかと店内を見回したら「数量限定 仙禽 三種飲み比べ」が目についたのでそれを注文。肴は「〆鯖の炙り」にした。「仙禽」の蔵は栃木県さくら市にある。三種の酒は写真左から「醸(かもす)」「麗(うらら)」「一聲(いっせい)」。どれも蔵が最高峰と称する逸品。「醸」はフランスワインのアッサンブラージュというブレンド技法を用いて造ったとか。山田錦、亀ノ尾、雄町を原料とする3種類の酒を最適にブレンドしたらしい。三種の酒米の良さを引き出してブレンドしたとプラスに捉えれば素晴らしい酒ということになるが、意地悪な言い方をすれば個性が曖昧になるとも言える。口に含むと甘く透明感のあるエレガントな香り、厚みはありつつしつこさのない上品でなめらかな味わいがある。これはブレンドが成功したと言って良いだろう。「麗」はぶどうやリンゴ果実のような華やかな香り、みずみずしく衣のように滑らかな口あたり、上質な酸が後味をスッキリまとめてくれる気品のある味。人にプレゼントするならこんな酒が良いだろう。最後に「一聲」。控えめながら華やかな香り、上質な甘み、山田錦らしいバランスの良い酒でした。

 

「仙禽」の味わいに充分満足したが量的には少々もの足りない。もう一種酒を飲むことにした。カウンター越しに見える冷蔵庫に「裏春鹿 生酛純米超辛口 無圧搾り」を見つけ注文した。先ほど飲んだ「仙禽」に比べてしっかりとした酒だ。どちらかと言えば濃醇な味わい。しかし飲み口はキリッと辛口。なめらかでトロリとした口当たりもキリッとした酸が締めてくれる。あぁ~、この酒好きだ。肴に頼んだ「はらんぼの塩焼き」にも合う。家飲みに選ぶならこうした酒を選びたい。一升3600円ほどか。