『化粧の裏 御広敷用人 大奥記録(二)』(上田秀人・著/光文社時代小説文庫)を読みました。
まずは出版社の紹介文を引きます。
八代将軍となった徳川吉宗の登用で御広敷用人となった水城聡四郎。将軍の命を受け、幼くして大奥にいる竹姫の事情を調べるため京へ来ていた。しかし、その背後には伊賀者の影が。はたして聡四郎は無事に江戸へ戻れるのか。そして、二度も許婚を輿入れ前に亡くした竹姫に隠された驚愕の真相とは―。一放流の達人、聡四郎が大奥の闇を斬り裂く痛快シリーズ第二弾。
異例のこととして五代将軍徳川綱吉の養女となり、大奥に居た竹姫を巡る謎を軸に物語が進んでいく。竹姫の婚約相手、会津藩主松平正容の嫡子久千代の早世。さらには結納まで済ませた有栖川宮正仁親王の急死。どうやら上田秀人氏はその謎に読者をあっといわせる仮説を用意しているのではないか。吉宗が竹姫を見初め継室に望むが、大奥はそれを阻もうとする様子。いったい竹姫と大奥にどのような隠されたいきさつがあるのか? 上田氏がどのような空想を持って物語を紡いでくれるのか、楽しみである。