佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

C・D・Bブライアン「偉大なるデスリフ」(村上春樹訳)を読む

偉大なるデスリフ (村上春樹翻訳ライブラリー)

偉大なるデスリフ (村上春樹翻訳ライブラリー)

フィッツジェラルド「華麗なるギャツビィー」ファンならではの本。
訳者の思い入れもひとしおだ。
しかし、物語としての面白味は、はっきり言ってない。
作中の主人公デスリフの科白を引用。
「でもあの本の中で僕がすきなのはギャツビィーじゃない。僕が好きなのはあの夏の気分なんだ。その魔力であり、そのスタイルなんだ。ギャツビィーの科白にあるじゃないか、『もしあの男がデトロイトを小都市って考えているとしたら、彼は我々にとっては無用の人物だ』ってね。ねえ、こんな素敵な科白ってないぜ。それからデイジーの家の描写やら、ギャツビィーのパーティーの描写やらも好きだ。本当によい文章だよ」
この夏、20年ぶりに「華麗なるギャツビィー」を読み直してみるか。