久しぶりに爽やかな青春ものを読んだ。竹内真氏の「自転車少年記・あの風の中へ」である。
紹介文を引用する
あの日、僕は、親友の草太、伸男と、自転車で走り始めた。生まれ育った南房総の風ケ丘から、目指すは大都会・東京。新世界への旅立ちだ。喜びや挫折を味わいながら、僕らは夢に向け、ペダルをひたすら漕ぎ続けた。仲間と、東京から日本海を目指す自転車ラリーを完走した。もちろん素敵な恋もした。単行本版『自転車少年記』の構想を元に新たに書き下ろされた、爽快無比の成長小説。
- 作者:竹内 真
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
私も自転車好きである。冬の間を除いて週に2〜3回、一日に約40kmを走っている。夏などは汗だくになるし、人から見れば何が楽しくて乗っているのだろうと不思議かもしれない。自動車ならもっと快適で早いのにと。しかし、これが楽しいのである。逆に自動車の運転をしていて、楽しいと感じたことはない。誰でも子供の頃、初めて自転車に乗れたときのうれしさや誇らしい気持ちを覚えているのではないか。風を切って走るときの爽快感を覚えているのではないか。本書を読むと、そうした昔の感覚がよみがえってきて妙に懐かしい。