佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

9月の読書メーター

9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2118ページ

今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)
主人公・澪が想いを寄せる小松原の身分が明らかになり、幼なじみの野江(あさひ太夫)が吉原に売られたいきさつも明らかになる。野江を遊郭から救い出す道も遠く微かに見えてきた。一流料亭の登龍楼との料理番付争いも面白い。澪の料理に対する真摯な心、心根の温かさが周りの心を動かし、素敵な物語を紡いでいく。出てくる料理はすべて垂涎もの。あぁ、第四弾を読み終えたばかりなのに、早く第五弾が読みたい。高田さん、早く書いて下さい。お願いします。
読了日:09月28日 著者:高田 郁


30年の物語 (講談社文庫)30年の物語 (講談社文庫)
この本を読んで私の心の奥底に潜む偏見に気づきました。「俳優」を「作家」の下に置き、俳優は一流の感性を持ってはいても、それを文字で表現するだけの知性を持っていないと思っていました。本を読み終えたとき、私はなんとおろかな偏見に囚われていたのかと自らの浅はかさに恥じ入りました。多彩な語彙をあやつり、激動の時代の光と影、そしてそこに生きる人間の微妙な心の襞を描き出す岸さんの筆力に畏敬の念を禁じ得ません。
読了日:09月24日 著者:岸 恵子


「散歩学」のすすめ (中公新書ラクレ)「散歩学」のすすめ (中公新書ラクレ)
本書の内容は博学多才の著者・古川愛哲氏が散歩の効用、楽しみ方、散歩にまつわる雑学を披瀝しておられます。私は滅多に散歩しませんが、自転車の散歩(ポタリング)はしょっちゅうやります。読んでいて何度も「そうだったのか」と膝を打つことしきりでした。著者の碩学に脱帽です。
読了日:09月11日 著者:古川 愛哲


人生を変えた時代小説傑作選 (文春文庫)人生を変えた時代小説傑作選 (文春文庫)
「人生を変えた」とは些か大げさかと思うが、それぞれ珠玉の短編ばかり。「読まずに死ぬのはもったいない」と言っておきたい。
読了日:09月09日 著者:山本 一力,縄田 一男,児玉 清

 


牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫)牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二) (講談社文庫)
読後感の爽やかな小説です。これは登場人物の人柄によるものでしょう。それぞれが才気に満ち、人に温かく、矜持を胸に凛とした生き方をしています。その魅力に周りが引き込まれてゆき、大きな力となり企画が実現した時、人々の心に感動の波がひろがる。今回、四人衆が広目(広告)しようとした土佐の酒『司牡丹』は現存する酒です。どうやら作者・山本一力氏はけっして媚を売ることなく人の心を捉えていく主人公たちに、自分の出身地の酒『司牡丹』のもつ「剛直な辛口でいながら、ふっとひとの和みをいざなう旨さ」を重ね合わせたようです。
読了日:09月08日 著者:山本 一力


プリンセス・トヨトミプリンセス・トヨトミ
歴史の授業で関ヶ原の合戦から方広寺事件、大坂冬の陣大坂夏の陣に至る経緯を学ぶにつけ、釈然としないものを感じていた人は多いはずです。そして、徳川に、江戸幕府に、ひいては東京人に反感を持つ人も多いと思います。私もその一人です。万城目さんも同じ気持ちを持っていたのだ。なんとも嬉しいことです。
読了日:09月04日 著者:万城目 学