昔、私が尊敬する上司が言っておりました。
「記憶より記録」と……
今晩聴いた話を忘れないうちに記録しておきます。
文章になっていません。単なる記憶の羅列です。
講師 : 恩田雅和氏(天満天神繁昌亭支配人)
演題 : 『上方落語と繁昌亭』
2006.9.15 繁昌亭オープン
上方の落語家の悲願であった定席ができた。
定席とは、年中無休で落語をやっている小屋のこと。
天満橋商店街を三枝師匠が訪れたときに寄席をつくりたいと話が出て、
それならと大阪天満宮が境内の一部を無償で貸しますよという話になった。
あとは建築費用だが企業や個人の募金を募ったところ2億4千万円の寄付金が集まった。
繁昌亭の内と外に吊ってある約1500の提灯に寄付者6000件の名前が書いてある。
繁昌亭の「昌」は「盛」に非ず。
6代目松鶴が千里に「繁昌亭」という寄席をやっていたことにあやかっている。
日を重ねて毎日繁盛して欲しいとの願いからこの名がついた。
高座の額には「楽」の字があるが、これは桂米朝師匠の書。
「見台」「膝隠し」は桂文枝が使っていたもの。
ロビーにある赤い人力車はフリーアナウンサーの鈴木美智子さん寄贈のもの。
初代桂春団治が使用していたものを復元。復元費用約350万円也。
「松鶴」「米朝」「文枝」「春団治」を人呼んで上方落語四天王。
生涯かけて上方落語を今日の隆盛に導いた。
繁昌亭の席は1F153席、2F63席。
通常は昼席と夜席。オーダーがあれば100名以上で貸し切って朝席をかける。
夜席は企画もの中心。
昼席は出演者のみ決まっているが演目はその場にならないとわからず。
落語とは本来そうしたもの。
マクラの小咄で客の反応とレベルをみて、その場で本題を決める。
昼席は10人の出演者。
①
②
③
④ 色物
⑤
⑥ 中トリ
中入
⑦ 色物
⑧ シバリ
⑨ モタレ(ヒザガワリ)
⑩ トリ
出し物には「ネタがつく」という不文律があり、同じような傾向のものを同じ日に出さないのがルール。
酔っ払いの話が出ていれば酔っぱらいの話は出来ない。
泥棒が登場する話が前にかかっていればその手の話は出来ない。
従って、出演者はその日のネタ帳を見て、ネタの傾向がかぶらないようにする。
落語家になって3年経てば出演させている。
3年程度ではせいぜいネタは15ほどしか出来ない。
従って新人はトップしかつとまらない。
色物とは落語以外のマジックや漫才などの芸。
落語が3席続けばお客さんも疲れてくる。
そこで色物を入れる。
中入(休憩)のあとは場内がざわつき落ち着かないのでここにも色物を入れる。
シバリとはお客様を話芸で縛り付けること。
モタレとはトリにもたれるの意。
トリを引き立てるためやや控えめにする。話も少し短め。
かといって、お客様をしらけさせてはいけない。このあたりの塩梅が難しいところ。
マクラ → 本題 → サゲ(オチともいう)の構造を踏んだものが落語。
この構造を踏まないものは落語に非ず、単なる漫談。
「トリ」のいわれは、昔はその日の売り上げを総取りしていたからそう呼ばれる。
トリはそれを出演者に分けていた。
「トリ」は初日と最終日には全員を連れて打ち上げに行く。
毎日連れて行く師匠もいる。
おそらく出演料では足りないだろう。
他でもうけているのでしょう。(笑)
うーん。こんなところだったかな。もう大分忘れているな。
やっぱり、記憶より記録。