佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

友だち百物語

歩いていて

 まず であうのは 石コロです

   ポーンと けってみる

     …… 友だちです

                 (本書P002より)

 

 『友だち百物語』(岩田健三郎・えと文/図書出版ホミ)を読みました。

 韓国の出版社が出している本です。

 amazonで検索しても出てきません。

 姫路の古本屋「ツリーハウス」で見つけました。

 

 

 最初のの友だちは石コロです。

 もう30年もまえのことですが、私がまだ大学生だった頃、私の住んでいた下宿に古林君という後輩が入ってきました。大学までは歩いていけます。ある日、大学からの帰り道、古林君が前を歩いていました。古林君は石コロを蹴飛ばしながら歩いていました。古林君の友だちは石コロでした。私は古林君と友だちになりました。古林君が私のことを友だちと思ってくれたかどうかはわからないけれど……

 

 岩田さんらしいほんわか系の絵と文で綴られた百の物語。とても幸せな気分になります。友だちの中に、予想どおり「バス停」と「酒」がありました。先日、一緒に酒を飲んだとき、本にサインをしてもらいました。私の似顔絵とともに、「一番 新しい 友だちです」と書いてくださいました。おかげさまで私の持っている本は「友だち百一物語」になりました。世界でただ一冊の本になりました。

 

 

 本に載っている怪しい顔の物体は石コロです。私の友だちです。

 

 (追記)

 

最後に岩田さんが行き着いた心境は

  

  心底ひとり……だと気がついた

 

というものです。

 

そして、物語の〆の言葉は

 

  ひとりになれないものはふたりになれない……そうな

 

でした。 沁みました。