小鉄 そろそろ 春やなあ
アントニオJr. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
不安や
小鉄 ?
アントニオJr. 小鉄・・・
おまえ なんか こわぁならんか
小鉄 なにがこわいねん
アントニオJr. 香り・・・・・・
小鉄 !
アントニオJr. この抵抗しようのない春の香りや
小鉄 またこいつ・・・
アントニオJr. 不作法な春の香りが
オレにアホになれといい寄るのさ
小鉄 こらあかん・・・
アントニオJr. おい 小鉄
小鉄 ワシ 眠たい んご~ んご~ んご~
アントニオJr. 恥知らずな豚の眠り
一本のシワもない脳ミソ
憂鬱や・・・・・・
小鉄 ・・・・・・ガキが
アントニオJr. 厭な季節や・・・
木も草も人間も 無節操にはしゃぎだすのさ
最悪や・・・
(本書P46-47より)
『じゃりン子チエ 6』(はるき悦巳・著/双葉社 ACTION COMICS)を読みました。
前巻に引き続きヒラメちゃんの存在感が増してきた。相撲だけでなく絵画にも才能があったとは・・・・。極めつけは歌唱力。ひょうたん池のフナが腹を見せて浮かんでくるほどとは、ロシアに落ちた隕石に匹敵するほどセンセーショナルではないか。(笑)
私が今巻でいちばん興味を覚えるのはアントニオJr.の春ノイローゼ。彼と小鉄の会話には何度読んでもニヤリとさせられる。真剣に語れば語るほど諧謔的になる会話の妙。私をして、はるき悦巳氏を天才と謂わしめる所以である。