佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2016年9月の読書メーター

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1653ページ
ナイス数:950ナイス

 

 先月は休日に自転車であちこち出かけたのでほとんど読めなかった。しかし、読んだ4冊についてはどれも満足。『黒後家蜘蛛の会』シリーズを読み始めた。まことによろしい。この読書体験は私の宝物になるだろう。この秋はミステリー三昧の予感。

ローカル線で行こう! (講談社文庫)ローカル線で行こう! (講談社文庫)感想
かなり楽しめるお仕事小説でした。たとえ困難に思えることであっても、あきらめず熱意を持って頑張れば必ず良い結果が得られる。心ある者は味方してくれる。最後は正義が勝つ。誰かから「世の中そんなあまいもんじゃない!」とおしかりを受けそうだが、小説の中ではそうあって欲しい結末を迎えることが可能だ。フィクションだと分かっていても、心あたたまり、胸が熱くなる。元気が出てくる。だから私は小説が好きなのだ。真保氏の「行こう!」シリーズの他作、『デパートへ行こう!』『遊園地に行こう!』も読んでみたい。あぁ、気分爽快。
読了日:9月15日 著者:真保裕一


書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)感想
 寺山修司を読むと場末の酒場で酒を飲み、カッコヨク堕落したくなるのはなぜだろう。繊細で弱く、少しだらしない人間になりたくなるのはなぜだろう。銀行口座に小金を貯めている自分が恥ずかしくなるのはなぜだろう。五〇歳を過ぎて生きている自分がうす汚く見えてしまうのはなぜだろう。
読了日:9月13日 著者:寺山修司


超高速!参勤交代 リターンズ (講談社文庫)超高速!参勤交代 リターンズ (講談社文庫)感想
前作に負けず劣らずの愉快痛快大活劇です。 この手の読み物に多いわかりきったパターンの展開ではある。つまり邪な者が権力を笠に着て真っ当に生きている弱者をいたぶる。この世には神も仏も正義もないのかと読者を散々嘆かせながら、知恵と勇気で最後に正義が勝つ。という良くあるパターンである。しかし、そうでありながら読み手を決して退屈させず最後に拍手喝采を送らせる手腕はすばらしい。土橋章宏氏、超売れっ子作家への道を超高速邁進中であります。
読了日:9月8日 著者:土橋章宏


黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)感想
実にイイ。まず物語の舞台設定が良い。ニューヨーク・マンハッタンの架空のレストランにおいて毎月開催される女人禁制ディナー、出席者は6人の会員と1人のゲスト。会の名を「黒後家蜘蛛の会(the black widowers)」と名づける。会では必ず謎が提示され、ああでもないこうでもないと議論が白熱する。しかし謎は解けることなく皆がお手上げ状態となったとき、給仕のヘンリーの「一言よろしゅうございますか、皆様」。このパターンの繰り返しがなんとも楽しい。安楽椅子探偵ものとして最上の味わいだ。最上の知性に触れる幸せ。
読了日:9月6日 著者:アイザック・アシモフ

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