佐々陽太朗の日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2017年4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1389
ナイス数:707

寺山修司詩集 (ハルキ文庫)寺山修司詩集 (ハルキ文庫)感想
私にとっての寺山修司は「五月の詩」「幸せが遠すぎたら」です。短歌でも、俳句でも、歌謡曲でも、戯曲でもなく、これら2編の詩です。  彼は実に多様な顔を見せていた。詩人、編集者、歌人俳人、戯曲作家、映画監督、脚本家、ルポ・ライター、小説家、エッセイスト、演出家、放送作家、作詞家、競馬評論家、劇団主催者、コメンテーター、あらゆる見られ方を許した昭和のアジテーターであった。その顔のひとつがこれら2編の詩に垣間見える。みずみずしい若さと傷つきやすさ、これこそが彼の本質なのではないかと思う。
読了日:04月29日 著者:寺山 修司


みんな酒場で大きくなった (河出文庫)みんな酒場で大きくなった (河出文庫)感想
角野卓造氏との東西居酒屋番付談義、川上弘美氏が語る文章が「夜中の恋文」になってしまわないための推敲方法、東海林さだお氏に対するひとり居酒屋指南、太田氏の椎名誠氏へのあこがれ、大沢在昌氏と北方謙三氏との友情、成田一徹氏との銀座のバー談義、全てが楽しい。私にとって本書の登場人物は憧れの存在であり、酒の飲み方のお手本だ。久しぶりに北方謙三を読むか。いや藤田宜永がいいか。ひとり居酒屋で余計なことをしゃべらず、唯々本を読む。なんてハードボイルド!
読了日:04月25日 著者:太田 和彦


吉田類の土佐酒more吉田類の土佐酒more感想
高知駅で売っていたの思わず買ってしまった。ぱらぱらっと頁をめくってみると、吉田さんがはちきんと一緒に酒を飲んでいるではないか、そのうえ土佐の酒蔵をめぐり蔵の特徴を解説し酒を紹介しているではないか。これは読むしかあるまいと即時購入。惜しむらくは、土佐に18ある酒蔵のうち9蔵しか紹介されなかった点。まあ厳選十八本と銘打って紹介された酒は十八蔵すべて揃っていたので許しましょう。
読了日:04月22日 著者:吉田類,高知新聞総合印刷


高知居酒屋辞典高知居酒屋辞典感想
昨夜、第17回土佐新酒の会で浴びるほど酒を飲み、ひろめ市場で「やいろ亭」の塩たたきをアテに「南」を飲んだ。さらにおびや町小路の「たに志」でイタドリをアテにさらに酒を飲み、〆はシラス茶漬であった。ページをパラパラめくると「やいろ亭」も「たに志」も紹介されている。私の選択は間違っていなかったのだ。次に高知を訪れたときは「千松」(せんしょう)のクジラ料理にしよう。よし、決めた!
読了日:04月22日 著者:


なぜ私は左翼と戦うのかなぜ私は左翼と戦うのか感想
現下の我が国の状況で、これだけストレートにご自分の意見を述べられたことにまず敬意を表したい。というのもこれを読んだ左翼系似非知識階級はきっと杉田氏に矛先を向けるに違いないからである。たとえどのような誹謗中傷攻撃に遭おうとも、間違いは間違い、正しいことは正しいと云う杉田氏が清々しい。彼女が敢えて夫婦同姓は家庭の基本であるとか、男女平等は実現し得ないと云い、共産党民進党蓮舫氏を批判するのは現下の情勢を憂えてのこと。火中に身を投じても正しいことを伝えたいという一心からだろう。
読了日:04月21日 著者:杉田水脈


ぶらり京都しあわせ歩き (京都しあわせ倶楽部)ぶらり京都しあわせ歩き (京都しあわせ倶楽部)感想
「しあわせ」とは心のありようである。同じ道を歩き、同じ景色を観て、同じものを食べても、「しあわせ」を感じる人とそうでない人がいる。そういうことだ。その良さが分かると云うこと、その味わいが分かると云うこと、そこにはその人の感受性とモノや出来事に対する深い造詣が関わってくる。つまりはたしなみが必要だということだ。書籍はそうしたたしなみを身につけるためのアーカイブの役割を担ってくれる。柏井氏の旅モノ本を携えて旅に出よう。「しあわせ」はそこにあるはずだ。
読了日:04月20日 著者:柏井 壽


凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)感想
何かを得るためには何かを捨てざるを得ない、そんなことはいっぱしの大人ならば解りきったことだ。人はすこしずつ何かを捨て去りながら年を重ねる。このシリーズに登場する若者は皆、純粋で真っ直ぐだ。それゆえ、捨て去られた自分が己に対すして持つ憐憫は痛々しいほどだ。成長すると云うことが「弱い自分や間違った自分を捨て去る」ことだとすれば、どうしてそのままの自分ではいけないのかと思い悩む。その青さ、感傷がこの小説シリーズの魅力である。たまらない。どうしようもなく、私はこの小説シリーズに出会ってしまった。続編希望。
読了日:04月13日 著者:河野 裕

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