処刑場の京都六条河原へ曳かれていくゆく途次も、再起をあきらめていなかったことを示す逸話は、あまりに有名である。
喉が渇いて白湯を所望したところ、代わりに柿の実を与えられたので、三成はことわった。
「痰の毒である」
さらし首になる実が今さら養生して何になる、と周囲は嘲った。
「土壇に据えられてもなお、本意を遂げるべく心をくだく。大事を期す者は、そうあらねばならぬ」
『風魔』の中巻を読み終えました。
いよいよ天下分け目の闘い。
歴史の裏舞台で豊臣方と徳川方の謀略が渦巻く。
小太郎の運命や如何に。
- 作者: 宮本昌孝
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/08/30
- メディア: 文庫
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