2009-10-24 風魔(中) (宮本昌孝:著/祥伝社文庫) 本 処刑場の京都六条河原へ曳かれていくゆく途次も、再起をあきらめていなかったことを示す逸話は、あまりに有名である。喉が渇いて白湯を所望したところ、代わりに柿の実を与えられたので、三成はことわった。「痰の毒である」さらし首になる実が今さら養生して何になる、と周囲は嘲った。「土壇に据えられてもなお、本意を遂げるべく心をくだく。大事を期す者は、そうあらねばならぬ」『風魔』の中巻を読み終えました。いよいよ天下分け目の闘い。歴史の裏舞台で豊臣方と徳川方の謀略が渦巻く。小太郎の運命や如何に。