ウェルズの日記

酒、美味しかったもの、読んだ本、サイクリング、旅行など。

2016年1月の読書メーター

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:6347ページ
ナイス数:3097ナイス

毎月新聞 (中公文庫)毎月新聞 (中公文庫)感想
佐藤雅彦氏といえば、サントリーモルツ、小学館の「ピカピカの♪いちねんせい♪」しみじみ好きでした。このたび『毎月新聞』というかたちのエッセイ?を読んで感心することしきりでした。実に変なことに気がつく人です。普段われわれが何となくモヤッとした感じで「変だ」と思っているが、なぜモヤッとした気分を持つのかが判然とせず、そのことについてあまり深く考えることもなく流してしまっている事柄、そうした事柄を佐藤氏は深ーい考察と鋭い洞察力で我々に理路整然とクリアにその本質を説明してしまうのだ。誠に慧眼と云わねばなるまい。
読了日:1月31日 著者:佐藤雅彦
現代柔侠伝5現代柔侠伝5感想
青春期⑪~⑳ 勘一も高校一年生。片目を喧嘩がらみの事故で失ってはいるが、柔道で大活躍。父・勘太郎とはすでに再開を果たしていたが、東京での柔道大会を機に、母・朝子とも再開。さすがに勘一の心は揺れ動くが、それも生きていく上での通過点か。バロン吉元氏の描く女性が不思議な魅力を持つ。現代作家に類を見ない重厚なタッチ。これも昭和の魅力であった。
読了日:1月31日 著者:バロン吉元
現代柔侠伝4現代柔侠伝4感想
青春期①~⑩ あくまで伝統的な神農道を大切にテキ屋組織をまとめようとする勘太郎。しかし暴力的集団として勢力を伸ばす組織の陰謀に巻き込まれ、殺人の濡れ衣を着せられ逮捕される。一方、息子の勘一は未だ両親(勘太郎、朝子)とは巡り会えず、どさ回りサーカスの旅芸人として暮らしている。テントが火事に遭い、サーカス団と袂を分かつことに。風雲急を告げる戦後の世情。GHQ、政官界、裏社会の思惑が錯綜しますます混沌としていく。勘太郎、朝子、勘一の運命はいかに。次巻に続く。
読了日:1月31日 著者:バロン吉元
ダナエ (文春文庫)ダナエ (文春文庫)
読了日:1月30日 著者:藤原伊織
ひまわりの祝祭 (講談社文庫)ひまわりの祝祭 (講談社文庫)感想
なかなかの長編。謎が多くその謎がなかなか解けていかないので、気ぜわしい人には読みづらいかもしれません。しかし、会話がいかすこと、登場人物が全員魅力的な持ち味を出していること、なによりも文章がかっこいいので飽きずに読めます。謎が解けたときの切なさ、自殺した妻の主人公に対する愛の深さを知ったときの感動。やはり伊織さんの小説は最高です。『テロリストのパラソル』にならび、何度でも読み返したい小説です。
読了日:1月29日 著者:藤原伊織
現代柔侠伝3現代柔侠伝3感想
ようやく勘太郎と朝子が再会。一緒に住むようになった。しかし、勘一は未だサーカスのどさ回り。勘一は合気道、柔道に天賦の才あり。やはり勘太郎と朝子のDNAを受け継いでいる。さて、どのような男に成長するのか楽しみである。次巻へ続く。
読了日:1月24日 著者:バロン吉元
図解 知識ゼロからの畜産入門図解 知識ゼロからの畜産入門感想
ヒレが一番運動をしない部位できめ細かく柔らかい赤み肉であること。肉の熟成の仕方。黒毛和牛は30ヶ月齢前後、ホルスタインは成長が早く20ヶ月齢前後で出荷すること。乳牛一頭で人間百人分の排泄があること。平均的肥育農家は106頭を飼育し年に67頭を販売。その場合、粗収益は5957万円、経営費を除いた農業所得は1118万円、専従者一人あたりの所得は816万円であること。食肉が消費者に届くまでの流通経路。日豪EPAとTPPの影響。畜産を生かした六次産業化などなど。知らなかったことをいろいろ教えてもらいました。
読了日:1月24日 著者:
現代柔侠伝2現代柔侠伝2感想
勘一の少年期。未だ父、母とはすれ違いながら逢えず。このあたりが昔の劇画らしい。母・朝子が婦人警官になりとりあえず安心したものの、なにやら心が不安にざわつく終わり方。次巻につづく。
読了日:1月24日 著者:バロン吉元
現代柔侠伝1現代柔侠伝1感想
敗戦後の貧しく混乱した世の中。生き別れとなっている父・柳勘太郎、母・朝子、息子・勘一。激動の時代、それぞれ運命に翻弄されながらも逞しく生きていく。ヤミ市テキ屋、ヤクザ、進駐軍、左翼労働運動など、当時の世相は時代考証的にもかなり正確なのではないだろうか。幼少の身で両親を探し求めながら強く生きる勘一の明るさが救いである。序章ながらワクワクする展開。全一六巻でどんな物語が紡がれるのか、楽しみです。
読了日:1月24日 著者:バロン吉元
ダックスフントのワープ (文春文庫)ダックスフントのワープ (文春文庫)感想
純文学です。哲学的です。気が利いた会話が素敵です。あたかも村上春樹を読んでいるかのような気分でした。本作が上梓されて八年後に藤原文学の金字塔ともいうべき『テロリストのパラソル』が上梓される。純文学からミステリにワープしたわけだが、しかし実は表題作『ダックスフントのワープ』にもハードボイルドの萌芽を見ることができる。その短編の中の寓話で、ダックスフントは大好きな少女の笑顔のために[邪悪の意思の地獄の砂漠]にワープし、そこで自ら課した規範に従って困難に立ち向かう。それがダックスフントの「誇りの問題」なのです。
読了日:1月21日 著者:藤原伊織
佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日感想
イスラム国というのは21世紀のコミンテルンである。コミンテルンが目指したものは世界に革命の輸出。一方、イスラム国は「グローバル・ジハード」の組織原理で動いている。それは分散型の非集権的な組織体であり、いわば「組織なき組織」である。その目的はテロを世界各地で自発的、予測不能なかたちで引き起こし(テロの輸出)、欧米にイスラムから手を引かせること、結果としてイスラム圏に統治の及ばない地域を作り出し、そこを支配することである。日本も格好の標的である。とまあ、要約するとこんなところでしょうか。
読了日:1月20日 著者:佐藤優
シリウスの道〈下〉 (文春文庫)シリウスの道〈下〉 (文春文庫)感想
あぁ・・いい。たまりません。仕事小説にしてハードボイルド。ハードボイルドにして恋愛小説。恋愛小説にして青春小説。広告代理店での巨額プロジェクト受注合戦に立ち向かうチームの奮闘物語り、企業内の軋轢と友情、はたまた上司部下の信頼関係。企業小説として一級品です。そして上司・立花部長と主人公・辰村祐介との男女の機微、これには上司部下の関係もあって味わい深い。さらに祐介、明子、勝哉の幼なじみの人生模様。それらが渾然一体となってひとつの物語が紡ぎ出されている。
読了日:1月18日 著者:藤原伊織
シリウスの道〈上〉 (文春文庫)シリウスの道〈上〉 (文春文庫)感想
再読。藤原伊織通読中。テロリストのパラソルに出てくるバーが出てきます。メニューは無くホットドッグしか出さないバー。そこでは島村圭介の墓守を自認する浅井志郎も登場。そうか島村はあれから三年後に死んでしまったのか。それにしても上巻最後の場面はいいねぇ。美人上司立花の膝枕で眠れるなんて・・・それも、涎でブルーのスカートに大きなシミを作るとは・・・。うらやましすぎる。これは伊織さんの欲求妄想だな。きっとそうだ。今日はこれからテロパラ風ホットドッグを作ってウイスキーを飲もう。
読了日:1月17日 著者:藤原伊織
テロリストのパラソル (講談社文庫)テロリストのパラソル (講談社文庫)感想
ご都合主義との誹りもなんのその、こんなすごい物語りはそうおいそれと書けはしない。美しい文章で綴られた感傷と自己憐憫に酔いしれます。はっきり言って女々しい。しかし、己の弱さを認めるわけにはいかないが、男だって弱いのです。己の中にある強くあらねばと思う気持ちと弱さ、伊織さんはこの強くて弱い男を描くのが無茶苦茶上手い。「殺むるときもかくなすらむかテロリスト蒼きパラソルくるくる回すよ」 テロリストの暗と青いパラソルの明、島村の陰と塔子の陽、この鮮やかな対比がこの重苦しい物語りに救いをもたらしています。
読了日:1月15日 著者:藤原伊織
雪が降る (講談社文庫)雪が降る (講談社文庫)感想
あぁ・・・やっぱりイイ! 「雪が降る」に表現された男と男の絆、男と女のの綾、いいねぇ。「紅の樹」の生真面目さ、これもまたイイ! 伊織さんの紡ぎだす物語りに酔いしれました。次は『テロリストのパラソル』を読もう。前に読んだときとはちがう新しい発見があるかどうか、ワクワクしてます。
読了日:1月12日 著者:藤原伊織
名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫)名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫)感想
とうとう読んでしまいました。一作だけ読まずにとっておいた藤原伊織氏の遺作。本作を読めば藤原氏にお別れを言うことになりそうな気がしたためである。こっぱずかしい感傷と笑われてもしかたがない。もう一度、藤原伊織氏の世界を通読するつもりです。次は『雪が降る』にしよう。もちろん「紅の樹」を読むために。
読了日:1月11日 著者:藤原伊織
てのひらの闇 (文春文庫)てのひらの闇 (文春文庫)感想
やっぱりいいなー伊織さん。主人公・堀江雅之のかかえる闇。そして運命の綾となった「赤い糸クズ」。心の中に浪漫を秘めた魅力的な登場人物たち。私はこういうものを読みたいのです。ジャパニーズ・テイストなハードボイルド小説として心が打ち震えました。次はいよいよ『名残り火・てのひらの闇<2>』を読もう。伊織さんが亡くなられて、一冊だけ未読のままにしておいたものです。遺作を読むのをためらっていたのです。いささか感傷的な行為だとは思いますが・・・
読了日:1月9日 著者:藤原伊織
日之丸街宣女子(ひのまるがいせんおとめ)日之丸街宣女子(ひのまるがいせんおとめ)感想
こうしたものを読むと偏っている、差別的だと非難される方も多いでしょう。しかし私は普段から朝日新聞を読みNHKの報道番組を視ています。はっきり言って朝日新聞NHKの報道も偏っています。健康を保つのに偏食が良くないように、情報の偏りは脳に良くありません。たまにこうした漫画を読むのも必要です。読んだ感想として一つだけ言えるのは、「隣人と仲良く暮らすには、お互いに相手の良いところを見ること」です。「お互いに」がキーワードです。片側だけにそうせよという知識人は(おそらく高尚すぎて)普通の人間を理解していません。
読了日:1月9日 著者:富田安紀子
ゼロから理解する 食肉の基本: 家畜の飼育・病気と安全・流通ビジネス (すぐわかるすごくわかる!)ゼロから理解する 食肉の基本: 家畜の飼育・病気と安全・流通ビジネス (すぐわかるすごくわかる!)感想
私はいい歳をして何も知らない。たとえば「A5」と聞いて「いい肉」だということはなんとなく判っているが、正確にはどういう意味かを知らないのだ。「すぐわかる すごくわかる!」と謳ってある。すごくわかるかどうかは疑問だがすぐわかります。勉強になりました。
読了日:1月8日 著者:
にっぽん全国 百年食堂にっぽん全国 百年食堂感想
正月に今年はどこを旅しようかとあれこれ想像するのは楽しいものだ。そして旅の楽しみの第一は食べ物。にっぽん全国の百年以上続いている食堂を紹介した本書は訪問先候補を示してくれる。必ずしもうまいという保証はないが、少なくとも不味い店ではあり得ないだろう。百年続くにはそれなりの理由があるものだ。たとえば栃木の美代志食堂は「性格のいい弁証法的中華料理である」といったような。早く行かなければなくなる店もあるだろう。現に本書に紹介された厚岸町「玉川本店」や木更津市「中橋食堂」は閉店してしまったらしい。残念なことだ。
読了日:1月3日 著者:椎名誠
弱者が強者を駆逐する時代弱者が強者を駆逐する時代感想
曽野綾子氏を読んでこなかった。しかし新聞紙上や雑誌上で氏の言説にある種のシンパシーを感じてきてもいた。本書の題名もこのところしばしば私が感じる世の中の胡散臭さを端的に言い表している。「自分を正義の側におき、そうでない人を弾劾することで、一層、自分の正しさを見せようとする」「実に現代は、弱者が強くなった時代とも言える」「一般に音痴は大きな声では歌わないのが礼儀だろう」こうした言葉がいちいちあたりまえのことであって、甘ったれたことを臆面もなく放言し羞じることのない今の日本の状況こそがおかしいのだと改めて思う。
読了日:1月3日 著者:曽野綾子
冬の本冬の本感想
まず目を引くのは和田誠氏による装丁。なかなかイイ感じです。しかし本は雪降るの中を歩きながら読んだら本がグチョグチョと和田さんにツッコミを入れたい。 杉江由次氏の「誕生」のあたたかさが好きです。高橋靖子氏の「記憶の公園」の病弱だった子供のころ、布団の中で親に隠れて本を読んだ記憶に懐かしさを感じる。 触発されて『愛のゆくえ』(ブローティガン)、『おわりの雪』(ユベール・マンガレリ)、『ヴァレンタインズ』(オラフ オラフソン)、『夢のつづき』(神吉拓郎)、『雪柳』(泉鏡花)、『氷平線』(桜木紫乃)を発注。
読了日:1月2日 著者:天野祐吉,佐伯一麦,柴田元幸,山田太一,武田花,友部正人,町田康,安西水丸,穂村弘,堀込高樹,ホンマタカシ,万城目学,又吉直樹,いがらしみきお,池内紀,伊藤比呂美,角田光代,片岡義男,北村薫,久住昌之

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