『地球の遊び方』(新宮晋/神戸市立小磯記念美術館・発行)を読みました。
新宮氏の作品は自然の中にあって、自然と調和し、感応している。しかし、そうではあってもあくまで人造物であり、明らかに自然のものではない。作品は自然の中にあって、自然に埋没することなく自らを主張している。あるいは自らの存在が自然の美しさや神秘を際立たせているともいえる。作品はそのもの自体が観念的な美しさを備えつつ、そこに際だって存在しているのだが、それは自然と感応し共存している。そこにある光、風、引力、熱、雨、そして木々や草花がそこに新宮氏の作品があることを歓んでいるように思える。子どもの頃、初めての場所に行き、見たこともないものに出会ったときの驚きと楽しさを思い出させてくれた。